2014年1月30日木曜日

名前に違わぬナマケモノ

ミツユビナマケモノは、本当になまけものでほとんど動かず、体の表面に藻をはやしていて、これを食べてエサとしている。

ナマケモノは、エサを全くとらず、風から栄養を摂取する動物だと以前は信じられていた。実際には1日に8gほどの植物を摂取している。哺乳類では珍しい変温動物で、外気に合わせて体温を変化させることで代謝を抑えている。

ミツユビナマケモノは、木の上に住んでおり、3週間に一度のトイレの時だけ降りてくる。じつは、木から降りて排泄するのは、ナマケモノにとって命懸けの行為。報告されている死因の半数は、地上近くで捕食者に襲われることによるからだ。

しかし、木から降りなくとも排泄はできるはず。ウィスコンシン大学の生物学者ジョナサン・パウリは、このトイレタイムには、重要な意味があることを新たに明らかにした。(参考AFP)

このナマケモノの体表の被毛内には、ガがたくさん住んでいる。ナマケモノが地面に降りて排便するとき、このガが宿主の糞に卵を産み付ける。幼虫は糞の中で孵化し、成虫になって再び樹上のナマケモノの被毛へと向かう。ナマケモノに寄生するガは被毛内の窒素量を増やす。これらが肥料となって、藻が繁殖する。そのため、ナマケモノの体の一部は緑色をしている。

藻はとても栄養価が高く、脂質に富んでいる。ナマケモノは自分の毛づくろいをしながら藻を食べる。こうして、わざわざ危険を犯して下まで行って、ガの卵に場所と餌を提供した苦労は、実際にナマケモノ自身のメリットとなる。自分の体に、ガと藻を飼って共生しているのである。





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