標高3776メートルの富士山頂の大気中から、最大で市街地の平均濃度の10倍を超える水銀が検出された。調査した滋賀県立大などの研究チームは、中国大陸から流れ込む大気に乗ってほかの汚染物質とともに運ばれて来たとみている。(読売新聞)
水銀は人体に有害で水俣病の原因物質としても知られる。この8月、大気1立方メートルあたり2・8ナノ・グラム(ナノは10億分の1)の水銀濃度が測定され、全国平均を上回っていることが、滋賀県立大の永淵修教授(環境科学)らの調査でわかった。2007年は最高の25.1ナノ・グラムを測定した。これは市街地の全国平均(2.2ナノグラム)の11倍。
富士山近くの工場などから排出される汚染物質の影響をほとんど受けないはずの山頂付近で高かったこと、最高値を記録した日は中国からの大気が流れ込んでいたことが判明。一方、中国と反対の太平洋側からの大気が流れ込んでいた11、12年は2ナノグラム前後だった。これらのことから、中国大陸から流れ込む大気に乗ってほかの汚染物質とともに運ばれて来たと判断される。
日本政府は、尖閣列島、歴史認識問題などの件で中国ともめているが、PM2.5や汚染物質では堂々と文句を言うべきで、同時に汚染物質が生じないようにする技術を提供し、中国と共同開発してもよいのではないかしら。