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2014年8月15日金曜日

人体比率から黒田官兵衛の身長を推定

戦国時代の軍師・黒田官兵衛(1546~1604年)の身長は約1メートル63であると、山梨県甲州市の歴史研究家矢崎勝巳さんが肖像画の目の横幅などを手がかりに推定した。当時の男性の平均身長約1メートル57に比べて6センチほど長身だったとみられるという。

推定に用いたのは官兵衛が死去した直後に描かれ、実物に最も近いとされる福岡市美術館蔵の肖像画「黒田如水像」。肖像画の目の横幅を測定し、当時の日本人男性の平均値を当てはめた上で、肖像画の縮尺を算出した。同様に上腕の長さを推計し、解剖学で用いられる身長を推定する数式に当てはめて計算した。

矢崎さんが推定した身長は、官兵衛の物とされる甲冑などの武具から推定される1メートル60前後という数値とも合致しているという。

身体の各部分の長さや身長との関係を「人体比率」という。解剖学や芸術分野で測定され議論されている。レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「ウィトルウィウス的人体図」というのがある(↓)。人体は神が作ったものということで、様々な体の長さが相互に関連しているという。例えば、
  • 腕を広げたとき、中指の両端の距離は身長にほぼ等しい。
  • 顔の縦の長さを考えたとき、中央の高さに両目がある。 
  • 頭頂から眉毛まで、眉毛から鼻下まで、鼻下からあごまでがほぼ同じ長さである。 
  • 両目の間隔は、目の横幅に等しい。 
  • 耳の高さは、ほぼ鼻の下から目尻までである。 
  • 口の横幅は二つの瞳の距離に等しい。 
  • ウエストサイズは首まわりの約二倍
  • 耳の長さは顔の1/3と等しい
  • 肩幅は身長の1/4と等しい
  • 胸の中心から頭頂までの長さは身長の1/4と等しい
などなど。

ついでながら、矢崎さんらが考案した手法で、奥州平泉にある中尊寺が所蔵する肖像画などをもとに、弁慶が151センチ、59キロ、義経が144センチ、43キロと導き出されている。

ウィトルウィウス的人体図