ページ

2015年5月26日火曜日

広島県立美術館、「磯江毅」展に行ってきた

この日曜日に、広島県立美術館でやっている磯江毅(いそえつよし)の絵画展、「スペイン・ リアリズム絵画の異才 磯江毅 ―広島への遺言―展」があったので、行ってきた。

実は、この日が展示の最後で、計画しながらなかなか行けないでいた。磯江の主要な作品はほぼそろっていて、その作品の変遷も追うことができ、なかなか味わい深かった。

磯江毅(1954-2007)について少し説明すると、大阪出身の画家で、19歳でスペインに渡った。当初スペインの古典絵画の模写を続け、緻密精細に描く技法を学び、その後、才能を開花させ、スペイン美術界で注目される一人となる。

2005年には広島市立大学芸術学部教授に就任して後進の育成に当たるなど、広島の美術界にも大きな足跡を残しながら、画業なかば53歳という若さで他界した。

普通、絵画は少し離れてみるものだが、磯辺の作品はまず近づいて見てしまう。そして、その細かさに驚かされる。描くのにどれだけ時間がかかるだろうと思われる細かさで描かれている。

絵画では、デフォルメすることで強調するのが常套だが、それと対局で、どこまでも精密な写実で表現されていて、時には写真かとも見えるが、誰でもできるようなレベルではない。

個人的には、絵画のよしあしは、その絵がほしくなるか、という判断なのだが、確かにほしくなる絵だった。


「磯江毅」展