「ジカ熱」は、蚊に刺されてジカウイルスに感染することで発症する。
世界保健機関(WHO)は1日、「ジカ熱」に妊婦が感染すると、先天的に脳の発育が不十分な「小頭症」の新生児が生まれる恐れがあるとして緊急事態宣言を出した。
ブラジルでは昨年10月以降、約4000件の小頭症の新生児が発生していて、小頭症を産んだ妊婦の羊水からジカウイルスの遺伝子が検出されていることから、「ジカ熱」に感染することで、小頭症の新生児が産まれると推測されている。
ジカ熱を治療する薬はなく、予防するワクチンもない。中絶が違法のブラジルでは、ジカウイルス患者に特別に中絶を認めるような運動が起こっているという。
妊婦以外はどうかというと、発熱や発疹など症状は風疹やはしかに似ている。重症化することはまれ。ヒトからヒトには感染しないが、感染しているヒトの血を吸った蚊が媒介する。
ジカ熱は、2014年に国内で流行したデング熱のように、日本のヒトスジシマカが媒介する。今後、蚊が発生する夏のオリンピック時期にウイルスが持ち込まれれば、国内で流行する可能性はかなり高い。
ブラジルは、地球の反対側にあって遠そうだが、身近な問題になる可能性は十分ある。