先日、東京の築地市場で食中毒を引き起こす恐れのある「バラハタ」1匹が売られていて、東京都は13日、同区で中華料理店を営業する男性が購入していたと発表した。12日夜、バラハタを蒸し魚にして2グループ計6人の客に提供していた。
バラハタは、ハタの仲間で60-80cmぐらいの大きさ。「バラ」は「薔薇」のことで、体色が赤いバラ色もしくは朱色だから。和歌山県以南の熱帯・亜熱帯域に分布する。
バラハタ自身が毒を作っているのではなく、食べるエサが毒を持っている。あのフグも、フグ毒は自身では作っていないで、食べるエサに毒がありそれをフグが溜めるからだ。他のエサで養殖するとまったく毒のないフグを作ることができる。
バラハタは、食物連鎖による生物濃縮によりシガトキシンという毒を体内に蓄えることが知られている。この毒は藻類(有毒渦鞭毛藻)が作り、これをシガテラという貝が食べる。この貝をバラハタが食べて、毒を溜めるというわけだ。
シガテラを食べる魚は他にも、ウツボ、イッテンフエダイ、イシガキダイなどあり、当然これらの魚もシガテラ中毒を起こす。
シガトキシンという毒は、非常に強い神経毒で、症状は運動機能の麻痺、下痢、腹痛で、死に至ることもある。シガトキシンは、熱に対して安定なので煮たり焼いたりしても毒性は減らない。
今回の事故では、バラハタは同じハタ科のスジアラと間違われて販売されてしまった。幸い中毒にはならなかったようだ。
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