27日、デング熱に、海外への渡航歴のない埼玉県の10代の女性が感染していたことが分かり、さらに28日、埼玉県の20代の女性と東京都の20代の男性が、新たに感染していたことが分かった。2人は、埼玉県の女性といずれも知り合いだという。
海外渡航歴がない感染例として70年ぶり。70年前は、戦前なので日本軍が南西諸島まで侵攻している時で、ウイルスを持った蚊も日本に持ち込まれた。
現在、デング熱はフィリピン、タイ、台湾など熱帯や亜熱帯の地域で大流行している。今回渡航歴がないのに感染したということは、デングウイルスを保有している蚊が日本にいることを意味する。
デング熱は、熱帯・亜熱帯で見られるウイルス感染症。感染後2日〜15日で発症し、高熱や頭痛、腰痛、筋肉痛などの症状が現れる。世界的には死亡率は15%程度だが、良好な医療環境の日本では1%以下だ。現在のところ、ワクチンや治療薬はない。蚊を媒介とするため、人と人との間で直接感染することはないとされている。
海外で感染し、帰国後、発症する人は年間200人ほど報告され、去年はこれまでで最も多い249人の患者が確認されている。