原因は、蜂蜜に中毒物質グラヤノトキシンが入っていたため。この毒は、ツツジの仲間が持っており、蜂によって集められて蜂蜜のなかに混入したと思われる。野生の蜂蜜を食べる習慣があるトルコの黒海沿岸部での発生例が多く「マッドハニー病」と呼ばれている。
グラヤノトキシンは、細胞膜上のNaイオンチャネルに結合して興奮を継続させ、カルシウムイオンを細胞内に流入させるため、骨格筋や心筋の収縮を強めたり、神経麻痺を起こす作用がある。ティースプーン数杯で血圧低下や心拍以上等の異常がでてくるという。ただし、通常この毒が致死になることはない。
日本製の蜂蜜は成分も検査をし管理も徹底されていることから問題ないが、いろいろな花の成分が混ざっている野生のハチミツや百花蜜は多量にとらないないようにしたほうが安全。また、海外産の蜂蜜は成分が検査されていないものが多く、そのまま日本に流通しているので、注意が必要。