2016年12月6日火曜日

突然やってくる「雷雨ぜんそく」がコワイ

「雷雨ぜんそく」というのをご存知でしょうか?死亡者も出るほどコワイのです。

先月、オーストラリアのメルボルンで、激しい雷雨があった。突然多数の人が呼吸困難に陥いり相つぎ倒れた。病院に運び込まれた人数は1,870名、そのうち3名が死んだ。

原因は、「雷雨ぜんそく」(thunderstorm asthma) だった。ぜんそくをまったく持っていない普通の人も突然呼吸困難で倒れる。

雷雨ぜんそくの原因となるのは、植物の花粉や胞子などの微粒子。晴れの天気が突然雷が鳴るほどの激しい雨に変わると、花粉は急激に水分を吸って破裂し、より微小な微粒子になる。

このような微粒子は、花粉用のマスクをつけても簡単に通過できる。そして、簡単に気管支や肺に届き、炎症を引き起こす。

今回オーストラリアで起きた雷雨ぜんそくの原因は、ライグラス(ネズミムギ)というイネ科の植物の花粉が大量に飛散したため。他の植物の花粉でもなることが分かっている。

過去に一度も喘息の症状のない人、そして花粉症の経験がない人でも、突如として発作が始まり呼吸困難になる。

日本ではまだ「雷雨ぜんそく」は報告されていないが、アメリカ、カナダ、イギリス、イタリアなどで報告されている。そのような国では、花粉飛散期に雷雨がありそうだと「雷雨ぜんそく」の警報が出るらしい。

日本でも今後起こることが十分考えられるし、もしかしたら、もう起こっていて、集団で発病していないために「雷雨ぜんそく」とは診断されていないかもしれませんね。

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