2015年10月22日木曜日

知らなかった:コオロギの脚が再生する

再生というのは、体の一部を失っても元にもどる現象のこと。再生できる生物として有名なのは、扁形動物のプラナリアで清流の石ころをめくって裏をみるといる。体を2つに切断すると、その両方の断片が完全な体に戻る。

星形のヒトデも、本体から切断された足だけから本体が再生する。イモリは、本体まで再生できないが、手足や目玉を除いても再生できる。

さて、質問。コオロギやバッタは足を切られても再生できるでしょうか?答えは「できる」。サナギを作る完全変態のこれらのムシは、脱皮をする過程で新たに足を再生することができる。

最近、岡山大学は、切断されたコオロギの脚が元の形に再生する仕組みを解明したと発表した。細胞の遺伝子に結合しているヒストンを化学修飾することで調節するエピジェネティクレベルで制御されているという。

ただし、この再生は最終変態前の幼生で見られ、親になると起こらない。再生には脱皮が必要。

もちろんヒトでは腕を切っても元に戻らないが、細胞レベルでは同じようなメカニズムがあるはず。これを操作することができれば、いつか腕も再生できる時代がくるかも。


コオロギ幼虫




コオロギの幼生には白い帯がある。みかけは、ほとんどゴキブリの幼生。

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