正確には、これは前歯の話で、奥歯は上下ともにある。
下の歯だけでどうするの?と思うかもしれませんが、ヒトなどとは違って、上には「歯板(しばん)」という固い歯ぐきがある。
長い草をちぎるために、長い舌で草を巻きつけ、下の前歯が包丁、上の歯板がまな板のようにして草を切りとり、奥歯(臼歯)ですりつぶす。
ヒツジだけでなく、ウシ、ヤギ、シカやキリンなどにも上の前歯はない。草食動物の仲間の「反芻(はんすう)動物」に特徴的だそうだ。
「反芻(はんすう)」というのは、一度食べた草を、胃からまた口に戻して噛み直すことで消化をよくする方法のこと。
よく子供に、勉強の仕方で、「よく反芻して」というのは、何度も復習して頭に入れなさいという意味。
最後に、動物の歯のトリビアを追加! ネコの歯は30本あるが、奥歯も尖っていていわゆる臼歯というようなすりつぶす歯がないので、切り裂いて食べることしかできない。舌がざらざらしているが、肉をすりつぶす代わりをしている。
さて問題、カエルに歯はあるでしょうか? 答えは上の歯だけある。カエルは、エサのムシを丸呑みするので、歯はエサを口の奥に飲み込むのに使われている。ただし、ガマガエルには、歯はない。口が大きいので飲み込むのに苦労しないからでしょうか。