2020年6月24日水曜日
そうなんだ:最新の歯磨き法は食事前
歯磨きの習慣は,インドが発祥だそうで,日本には仏教の伝来とともに入ってきたそうです。
子供の頃,歯磨きは朝起きたらすぐの食事前と寝る前でした。その後いつの頃からか,毎食後にすることになったのですが,最近はまた朝起きたらすぐ歯磨きすることが推奨されるようになったそうです。「食べたらすぐに歯磨き」もバツのようです。
体に良いと信じられていたものが,時代によって体に悪いことになったり,また良くなったりします。
例えば,以前はコーヒーはすい臓がんになりやすいとか,コーヒーのカフェインが体に悪いと言われていたのが,現在はコーヒーに含まれるポリフェノールに体脂肪を減らす効果があるということで,体に良いとされています。
さて,歯磨きの話に戻すと,食後は口内は酸性になるため、歯のエナメル質が溶けやすい状態。この時に歯磨きすれば,エナメル質を除くことになってしまいます。
そもそも,口内が酸性になるのは,細菌が食事に含まれる栄養分を分解する過程で酸ができるからです。酸は歯のエナメル質成分であるカルシウムとリンを除いで溶けやすくする作用があります。
(炭酸飲料はかなり酸性(pH2台)なので,細菌がいなくても炭酸飲料を頻繁に飲む人は注意が必要です)
食事前に細菌を歯磨きで除いておけば,口内は酸性化しにくいし,細菌の繁殖も防げるというわけです。ところで,細菌を除くこの歯磨きは一日一回で十分と言われています。
一日一回では,食後に歯についた食べ物が細菌を増やすのではないかと気になります。食べ物カスは基本的に軽いブラッシングで除けるので,食後30分以降に軽く行います。
食後30分ほどたつと、唾液によってエナメル質が再び固さを取り戻すので,この時になら歯磨きをするのは良いそうです。
実は,歯磨きをやりすぎるのは良くないそうで,やりすぎて歯茎に傷をつけると口内炎や歯周病に繋がります。また,強いブラッシングは歯茎を下げることになり知覚過敏の原因にもなります。
歯磨きは出来るだけ時間をかけてすればするほど良いと思っていたのですが,歯や歯茎を痛めることと,細菌を除くことはトレードオフになっているので,バランスが大切ということが分かります。
まとめると,1日1度食事前にしっかり歯磨きをして細菌を除きます。毎食事前には簡単でよいですから細菌を除くために口をゆすぎ,食後30分後に食べカスを軽いブラッシングで除きます。これが,最新の歯磨き方法のようです。