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2020年2月7日金曜日

新型コロナでの致死率(致命率)と死亡率



新型コロナウイルス感染者が出たクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」内で,途中検査結果で感染者が61人もいたようです。ただ,重症者は1名とのこと。

世界の感染者数は3万人を超えました。1月からメモっていた新型コロナウイルスでの感染者と死亡者を新しくグラフにしてみましたが(↓),まだ全く終息しているようには見えません。

計算すると,新型コロナウイルスの致死率(致命率)は,2%程度。

ところで,致死率と同じような言葉に,「死亡率」があります。

致死率は,感染した人のうち何人が亡くなったかの割合であるのに対して,「死亡率」は,総人口のうち何人が亡くなったかです。

よくガンが原因で人口のうち亡くなる人の割合が出てきますが,この場合は,「死亡率」。ところが,大腸ガンに罹った人のうちそのガンが原因で亡くなる割合をいう場合は,「致死率」になるわけです。

どうも中国は,正確な感染者数,死亡者数を発表していないようで,ある研究者によると,すでに感染者は20万人を超えているとのこと。

また,潜伏期の患者からも他の人に感染すると中国が発表していましたが,昨日の学術研究論文で,これはありえないことが発表されました。

これが正しいとすると,隣の人が罹っていてうつされるかもしれないと疑心暗鬼になることがなくなり,感染予測も立ちやすくなります。






2020年2月4日火曜日

新型「コロナウイルス」今は怖くない



昨年12月中旬ごろから中国の武漢市で感染者が次々と発生し,中国の感染者は増え続けています。1月早々このBlogでもこのウイルスは危ないと伝えましたが,今は逆に危なくないと言えます。

新型ウイルスは,「ウーハンコロナウイルス」(「ウーハン」は武漢のこと)と呼ばれているようです。

まだ不確かですが,タケネズミのウイルスがヒトに感染できるように変異し,さらにヒトからヒトに感染できるようになったみたいです。

武漢市には,野生動物を売る市場があって,そこでヒトに感染したらしい。

ヒトが今まで経験したことがないウイルスなので,治す薬がないのが問題。そのため,重症化しやすく肺炎に発展し,死亡することも。(昨日のニュースだと,インフルの薬がある程度効果あるとのこと)

ただ,1人の感染者が何人に感染させるかという感染力は、「1.4人~2.5人」と見積もられていて,「2人~5人」のSARSや、「1.4人~4人」のインフルエンザに比べれば弱い。

致死率は,中国の報告を信じるとすれば3%程度で、10%だったSARSの半分以下。

中国が最初の感染を認識してからの初動がもう少し早かったら,今回の中国全土への感染は防げていたと思う。WHOも中国からのプレッシャーなのか緊急事態宣言をずっと出せないでいた。

それにしても,一千万人がいる武漢市で,全市民に外出禁止を命じることができるのは,さすが中国ですね。

今日までニュースで報道されている新型ウイルスの感染者と死亡者をメモっていたので,グラフにまとめてみました(↓)。まだ,終息するようには見えません。

日本のマスコミは,当初人に不安ばかり煽るような報道の仕方で新型ウイルスを伝えていましたが,今の所そんなに怖くはないというのが印象です。

「今の所」というのは,ヒトからヒトにどんどん感染している間にさらに感染力が強くなり,毒性が強くなるような変異が起きると,本格的なパンデミック状態になるからです。

有効な対策は手洗い、うがい、それに十分な睡眠と栄養で抵抗力を付けること。これも風邪やインフルエンザと同じです。






2020年1月16日木曜日

新型コロナウイルスがかなりアブナイ



中国の湖北省武漢市などでで多発している原因不明の肺炎について、新型のコロナウイルスが原因ということが報告されました。そして,今日日本でも感染者が出ました。

コロナウイルス自体は,普通の風邪のウイルスの1つで怖くはないのですが,2002年に中国広東省で発生した新型のSARS,2012年にサウジアラビアで発見されたMARSなど重症肺炎を引き起こすウイルスが今まで報告されています。

今回の新型ウイルスは,SARS,MARSとも異なるとのこと。これらのウイルスはいずれも,直す薬が無く死者も出ています。今回の新型ウイルスもついに死者が出てきました。

SARSはコウモリ・ジャコウネコ,MARSはヒトコブラクダで発生し,変異によってヒトからヒトにも伝播するようになっていて恐れられています。

SARSはアジア各地で拡大し、患者は8,000人以上、犠牲者が774人出ています。感染すると致死率が約1割と非常に高いです。

ヒトにはこれらのウイルスに対して免疫がないので,一度ヒトからヒトに感染できるようになると簡単に伝播してしまいます。新型のウイルスもコウモリではないかと考えられていますが,他の動物かもしれません。

中国の湖北省武漢市は,野生の動物や肉が売買される大きな市場があり,この動物からヒトへ感染したのではないかと考えられています。

中国は,一月の月末に日本のお正月に当たる春節を迎え,訪日する中国人は70万人に及びます。また,東京オリンピックもあり,新型ウイルスが日本に入ってくることは十分考えられます。先日,タイで感染した中国人女性1人が現れています。

今の所,新型ウイルスについては,人から人への感染はまだ不明ですが,封じ込めに失敗すれば時間の問題で広がり,パンデミックになってかなりアブナイ状況になります。


2019年12月19日木曜日

インフル警報発令(2019.12.18)



知り合いの子がインフルエンザに罹ったと聞いところでしたが,山口県では,昨日インフル警報が発令されましたね。

県全体の定点あたり報告数が警報レベルの30を上回ると,警報が発令されます。

検査診断結果でA型陽性が1420例、B型陽性が78例、A型・B型共に陽性が1例、臨床診断・型不明が119例あるそうです。

広島県は,まだ注意報レベルですが,すぐに警報がでるでしょう。

インフルエンザにかかったと思ったら,48時間以内に病院に行って薬を貰えば,かなり楽になります。

前にも書きましたが,最新の塩野義製薬「ゾフルーザ」が出て,1日1回服用するだけで大丈夫になりました。

ただ,1回の治療費は4,789円とお高く,30%の子供には効かないということなので,昨年発売されたタミフルのジェネリック(1,360円)で充分でしょう。

インフルエンザにかからないためには,十分な睡眠と,手洗いとうがい。


国立感染症研究所のマップですが,更新が遅れていて12/11とちょっと古いです。HPはココ

2019年12月5日木曜日

インフル小児30%に薬が効かない



インフルエンザにかかったと思ったら,48時間以内に病院に行って薬を貰えば,かなり楽になります。

抗インフルエンザ薬は,最新の塩野義製薬「ゾフルーザ」が出て,1日1回服用するだけで大丈夫になりました。今までのタミフルやリレンザだと,2回×5日服用しないといけなかったことを考えると,便利になりました。

ところが,「ゾフルーザ」の耐性ウイルスが増えているそうで,インフルに感染した12才以下の場合,30%の子供には効かないそうです。

子供の場合,インフルエンザに対する免疫の力が大人より弱いために、耐性ウイルスの増殖を抑えきれず、出現頻度が高くなると考えられています。

耐性ウイルスは、「ゾフルーザ」を服用しなかったインフルエンザ患者からも検出されていて,耐性ウイルスが人から人に感染するようで,今後耐性ウイルスが広がると「ゾフルーザ」は使えなくなるかも。

また,1回の治療費はゾフルーザが4,789円とお高い。タミフルが2,720円、昨年発売されたタミフルのジェネリックは1,360円(医療保険加入者は、この1~3割負担)。

というわけで,耐性化のリスク,コスト,未知の副作用のリスクをを考えるとしばらくタミフルを選択した方が賢いかも。

インフルエンザにかからないためには,十分な睡眠と,手洗いとうがい。





2019年3月19日火曜日

食中毒「アニサキス」が今ヤバい



「アニサキス」による食中毒が増えているそうです。2018年の食中毒の報告件数のうち、アニサキスによる中毒が、ウイルスや病原菌を抜いてトップになったとのこと。

アニサキスは寄生虫(線虫)の一種。長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。生きていればしっかり動きます。

サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。今問題になっているのは,特にカツオ。

寄生している魚介類が死ぬと、内臓から筋肉や皮下に移動します。死んでから時間が経っていると,内臓を捨てても身の方に来ているわけです。

生きたアニサキスがついた魚介を食べると,胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。

食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。腸まで行くと激しい下腹部痛、腹膜炎症状を引き起こします。

もしやと思ったら,できるだけ早く病院に行きましょう。

胃にいる場合は,内視鏡で胃壁に食らいつく虫体を見つけ取り除きます。腸まで行くと,除くのが困難なので,虫が死ぬまで頓服薬しかないですが,場合によっては,お腹を開ける外科手術もあります。

もともとアニサキスは,クジラやイルカ等の海洋哺乳類で成虫になる寄生虫で、その幼虫はサバ、イカ等の魚介類に寄生します。

アニサキスは,目視できる大きさなので,包丁を入れる前や食べる前に確認して除くのが一番です。

酢じめくらいのお酢では死にませんので,注意が必要です。魚介を冷凍するか,加熱すれば大丈夫。

参考は厚生労働省ココ




2019年1月30日水曜日

インフルの新薬ゾフルーザ:問題点



インフルエンザの警報が出ています。ほぼ全国で警報が出ています(↓)。

1シーズンでのインフルエンザ患者数は1000万人にもなります。今期から新薬の「ゾフルーザ」が利用できるようになりましたが,問題点は多いようです。

「ゾフルーザ」は,シオノギ製薬が開発した新薬で,メリットは服用1回で済むこと。

これまでの薬(タミフル・リレンザ・イナビル)は、インフルエンザウイルスが体内の細胞内に入り、細胞の中で増殖したあと、その細胞外に出てくるところをブロックする。

一方,「ゾフルーザ」は,ウイルスにしかないキャプ依存性エンドヌクレアーゼ活性を阻害することで,ウイルスのmRNAの合成が阻害される。そのため,ウイルスは細胞内で増殖できない。(詳細が知りたい方は,ココのムービーを参照)

問題なのは,「ゾフルーザ」は,耐性ウイルスが出やすいこと。要するに,効かなくなる変異ウイルスが新たに体の中でできるということ。

その確率が,成人で9%,子供で23%と高い。特に子供の場合に高いのが気になる。ただ,変異ウイルスに病原性があるのかまだ不明。

新しい薬だけに,タミフルで最初に問題となったような副作用があるかは,今期たくさんの人が使うことで初めてわかることになる。

また,1回の治療費はゾフルーザが4,789円とお高い。タミフルが2,720円、昨年発売されたタミフルのジェネリックは1,360円(医療保険加入者は、この1~3割負担)。

というわけで,耐性化のリスク,コスト,未知の副作用のリスクをを考えるとしばらくタミフルを選択した方が賢いかも。

インフルエンザにかからないためには,十分な睡眠と,手洗いとうがい。


2018年1月18日木曜日

ネコから感染で死亡も:対策は?


先日のニュースによると、ネコから細菌感染した女性が亡くなった。その細菌は「コリネバクテリウム・ウルセランス」というあまり聞きなれない名前。

この細菌はもともと毒性がなかったが、ジフテリア菌の毒素の遺伝子を獲得したと考えられている。ジフテリアは二種感染症(以前の法定伝染病)に指定されていて、コレラより高いレベルに指定されている。

「コリネバクテリウム・ウルセランス」は、イヌ、ネコを含めて家畜などの動物に常在している。今回亡くなった女性は、野良ネコにえさを与えていて感染したらしい。

感染するとかぜに似た症状などが出て、重い場合は呼吸困難を引き起こす。去年11月までに国内で25人の感染が報告されているが、死亡が確認されたのは初めて。

治療は、抗生物質で細菌の増殖を抑える。イヌ、ネコが感染した場合でも、咳やクシャミ、鼻水などの風邪様症状、皮膚炎、皮膚や粘膜潰瘍などの症状が出るので、すぐに動物病院でみてもらいましょう。

また、こうした犬や猫に触る場合は、過度な接触を避け手袋やマスクをして、触った後は手洗いが必要。


2017年12月14日木曜日

インフルワクチン接種してきた いつもと違う


毎年インフルエンザのワクチン接種をすることにしています。そのお陰か、もう何十年もインフルエンザに罹っていない。

ワクチンが効かないという意見の学者もいるが、経験的には効いていると思う。

毎年なら11月中頃にインフルエンザのワクチン接種をしているのですが、いつもの病院に予約電話をすると、今年はワクチンが不足しているということで12 月まで入荷しないということだった。

12月になって電話すると、ワクチンは入荷したが今年は予約しないで直接きて欲しいとのこと。まだ数が十分でないらしい。

さっそくよく朝、病院で接種してもらった。今年のワクチンは毎年のと違って、夕方には少し体がダルくなる。また、接種したところが赤く腫れ、3日経ってもまだ痛いし痒い。

使ったウイルスを調べてみると、

A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2)
B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)
の4種で、 A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09が、昨年・一昨年までは A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09なので、1種類ウイルスが変わっている。

ワクチン不足で、慌てて作った不良品でなければよいのですが。。

インフルエンザの流行は今年は遅れているようで、まだ注意報も出ていない県が多いみたいです(国立感染症センターから↓)。






2017年11月2日木曜日

インフルエンザのワクチンが不足している


毎年インフルエンザのワクチン接種をすることにしています。そのお陰か、もう何十年もインフルエンザに罹っていない。

ワクチンが効かないという意見の学者もいるが、経験的には効いていると思う。今年も病院に予約して注射してもらおうと思うのですが、先日のニュースによると、ワクチンが不足しているらしい。

インフルエンザはすでに広がり始めていて、中国地方では山口県ですでに患者が増えてきている。

今年、国内で製造するインフルエンザワクチンは合わせて2528万本と、昨シーズンに実際に使用された数よりも114万本少なくなる見通しとのこと。

そこで厚労省は、13歳以上の人へは1回の接種にしてほしいと勧告している。13歳以下は原則2回だが、多くの人に行きわたるように1回でもよいとしている。

1回でもよいのなら、なぜ今まで2回の推奨してきたのかしら、おかしな話。

実際に不足しているのは、全体の5%程度なので、慌てて病院に殺到する必要はないようです。(ただ今日のニュースで、病院へのアンケート回答で充足率が70%ということなので、どこかで囲い込みが起こっているのかも)







2017年7月26日水曜日

犬・猫から感染して死亡することも:マダニ病


厚生労働省によると、野良猫にかまれた50代の女性がマダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTA)」を発症し、10日後に死亡した。

これはかなり衝撃的なニュースで、今までマダニに直接噛まれて感染すると思っていたのが、マダニに噛まれた感染動物からも感染することがわかった。猫や犬は体が地面に近いのでマダニの攻撃を受けやすい。このような動物に噛まれても感染するということだ。

野生動物のタヌキ、キツネ、ネズミやイノシシが感染している可能性は高いので、噛まれたりすると、感染の可能性を考えないといけないだろう。

マダニから感染して最初に亡くなったのは、2012年山口県のお年寄りだった。その後、山口、広島、徳島など西日本を中心に266人の患者が報告されている。

そのうち、死亡したのは、57人で、感染したら10人に2人が亡くなる計算。かなりアブないことがわかる。50歳以上で特に死亡例が多い。80歳代の場合、感染した半分の方が亡くなっている。(データは国立感染症研究所よりココ

重症熱性血小板減少症候群に感染すると、6日〜2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)、その他頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などを起こす。

予防としては、マダニのいる草むらや菜園などに入る場合、長ズボン、靴下は履きましょう。マダニはミリサイズのものから1センチくらいのものまでいて、肉眼で見えます。

もし、体についているのを見たら、自分で払わず病院に行って取り除いてもらいましょう。自分で取ると、体の一部が残って逆に感染を促すことになるかもしれません。

また、動物をむやみに触らないこと。飼っている猫や犬の場合、マダニのいる草むらに入らないようにさせることが大事。

以前に本Blogでもマダニを身近で発見したことを書いています(これが殺人マダニ 身近にいます ココ)。




2017年7月24日月曜日

ヒラメ刺し身で多数が「クドア」食中毒


少し前、砺波市の飲食店でヒラメの刺し身を食べた男女18人が食中毒になった。

食中毒の原因は、ヒラメに寄生する寄生虫「クドア・セプテンプンクタータ」だった。「クドア」は、魚の筋肉に寄生する粘液胞子虫という仲間。マグロやタイにもいる。

「クドア」が食中毒の原因になっているというのは、まだ最近分かったところで、それまでは、ヒラメの生食でなりやすい原因不明の食中毒とされていたものだった。

「クドア」はゴカイと魚の間を行き来していて、人には寄生しない。「クドア」の名前は、原生動物学者の工藤 六三郎のKUDOから取られている。この人は最後、米国に帰化してシカゴのイリノイ大学の教授になった。

「クドア」の大きさは10マイクロメートル(1ミリの100分の1)と小さく、肉眼では見えない大きさ。感染すると、食後数時間程度で、一過性の嘔吐や下痢などの中毒症状が出てくる。死に至るようなことはない。

クドアは、-20℃で4時間以上冷凍したり、75℃5分以上の加熱で殺すことができる。できるのですが、ヒラメの場合、刺身としてはどちらも美味しくなくなります。

養殖ヒラメでは、出荷前の検査があり、魚の筋肉1グラム当たりのクドアの胞子数が100万個を 超えると、販売禁止になる(食品衛生法)。

養殖でない場合は、検査はないみたいなので、覚悟がいります。

今回食中毒を発生したお店は、1日間営業停止になり、感染した人は無事回復に向かっているそうです。



写真は厚労省のココから











2016年12月16日金曜日

来年酉年なのに、鳥インフル流行でペンギンもアブナい

鳥インフルエンザが流行していて、だいぶ危険状態にあるそうです。11月以降に、国内で確認された高病原性の鳥インフルエンザの感染は64件になって、過去最多だった2010ー2011年のシーズンの62件をすでに上回った。

環境省は、すでに、国内の警戒レベルを最高の「3」に引き上げた。

鳥インフルエンザが怖いのは、人間は罹ったことがないので免疫がなく、感染するとその致死率60-70%と言われている。正確には、人に感染した例は若干あるが、まだ人から人への感染は確認されていない。

しかし、ウイルスの変異でいつかそのような感染力の強いウイルスが現れるのではないかと、専門家は恐れている。

現在流行しているのは、高病原性の鳥インフルエンザ。2012年、山口県宇部市常盤公園のコクチョウが高病原性鳥インフルエンザに感染していたので、園内の全てのハクチョウ300羽以上が殺処分されたのはまだ忘れられない。

現在、全国のうち15県で鳥インフルエンザに感染して死んでいる鳥が見つかっている。ごく最近のニュースだと、名古屋の東山動物園で、ケージの中の鳥がバタバタ死んでいる。子供とのふれあいで人気のペンギンも鳥なので、注意が必要。

来年は酉年なのに、鳥が使いにくい状況で、動物園なども頭が痛いに違いない。

ワクチンはないので、罹らないようにするしかない。鳥インフルエンザに感染した鳥の排泄物、死体などが要注意。死んでいる鳥を見つけても触らないこと。複数いる場合は、保健所などに連絡しましょう。感染している鶏の卵、鶏肉でも熱していれば食べて大丈夫。


広島ブログ

2016年9月15日木曜日

はしか急増:不安でワクチンに殺到

「はしか(麻疹)」が、急速に拡大している。

大阪、兵庫、東京、千葉、埼玉、神奈川など都会で感染者が増えている。

はしかは、ウイルスによって引き起こされる感染症で、免疫がない人が感染するとほぼ100%発症する。空気や飛沫でも感染する。インフルエンザよりもずっと感染力が強く、免疫を持たない人が、同じ室内にいるとほぼ確実に感染することになる。

発症すると発熱や咳、鼻水など風邪のような症状がみられた後、39℃以上の高熱が出て顔や体に発疹が現れる。

患者の約3割が合併症を起こすとされ、肺炎や中耳炎が多い。1000人に1人が脳炎を起こし、後遺症が残る。死に至ることさえある。妊娠中に感染すると、流産や早産の可能性がある。

2008年に国内で1万人を超える大規模なはしかの流行が起きたが、今回のウイルスは中国、モンゴル、東南アジア由来らしい。

はしかウイルスには特効薬がないが、予防策はワクチンの接種。はしかワクチンは2回の接種が行われていたが、20~30代は1回接種しただけ。当時は1回でも有効と思われたが、免疫ができるには2回必要だと後で分かった。

そのため、20~30代の感染のリスクが一番高い。今までにはしかに罹った人はもう免疫ができているので大丈夫。

はしか感染が不安で、ワクチン接種のために、今病院に殺到していて、もうワクチンが不足する状態になっているという。

免疫がなく感染するかもしれない人は、できるだけ人の集まるところには行かないこと。


MRワクチンは、麻疹(はしか)と風疹の混合ワクチン
広島ブログ

2016年5月16日月曜日

考えさせられる高額ガン治療薬の事実

日本人の2人に1人はガンを発症し、3人に1人がガンで命を落とす時代。研究が進んで、どんどん新薬が開発されてきている。ちょっと前では助からないガンでも今はかなり克服できるようになってきている。

小野薬品の新薬「オプジーボ」(一般名=ニボルマブ)が、メラノーマ(悪性黒色腫)、切除不能な進行・再発の非小細胞肺ガンの治療薬として製造販売の承認を取った。この新薬はかなり決定的なガン治療薬になるかもしれない。

オプジーボはこれまでの抗がん剤と大きく作用が異なる。従来の抗がん剤はがん細胞の増殖を抑えて死滅させるが、オプジーボは患者自身の免疫に働きかけてがんを抑える。

オプジーボは、日本発の画期的な免疫療法薬として他のがんへの適応拡大も期待されている。

ここで、問題は価格だ。治療に1年間オプジーボを使うと、3,500万円かかる。患者の平均的な負担は、上限月8万円程度で済む。個人レベルではよいことだが、残る金額は税金でまかなわれることになる。

10万人がこの新薬を使うと、3.5兆円かかる。たくさんの人が使えば単価は安くなることは予想されるにしても、国家予算の医療費を破綻させるのに十分なコストだ。

ある程度の年齢の人はこのような高額な治療は諦めてもらうなどの議論が財政制度等審議会で真面目に議論されている。

実は、医薬品の価格の高さは尋常でなく、粗利益は80%とも90%とも言われる。事情はあるのだろうが、普通の食品などが25-30%くらいなので、ここの見直しをまずしてほしい。

オブジーボ
山口ブログ
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2016年3月6日日曜日

松方弘樹が診断された脳リンパ腫

先日、俳優の松方弘樹さんが「脳リンパ腫」と診断されたと報道があった。松方さんといえば、ヤクザ映画、時代劇などで有名だが、萩でクロマグロのトーナメントで特大マグロを釣り上げたのが最近の記憶に残っている。「脳リンパ腫」というのは、どんな病気かしら。

当初、松方さんは脳腫瘍が疑われていたが、脳腫瘍は頭蓋内組織がガン化するもので、脳リンパ腫とは別。リンパ球のガンで、リンパ組織の中にできる。発生した場所にとどまる場合もあるが、リンパ管は血管と同じように体中に広がっているので、転移する可能性が高い。

脳のどこにできたかで症状は異なるが、脳リンパ腫の場合、頭痛や手足のまひなどが起こる。発症した部位が脳幹部に近い場合は、言語機能や運動機能などに障害が起こる可能性もある。

がん化したリンパ球は、切除で除けないので、薬物治療・放射線治療が中心に行われる。

昔と違って現在は治療薬が飛躍的に進歩しているので、松方さんの元気な姿を再び見れるように祈りたい。


松方さん

2016年2月3日水曜日

蚊が媒介するジカ熱:日本もアブない

感染症「ジカ熱」が、ブラジルを中心に中南米で爆発的に流行し、半パニック状態になっている。今年夏には、ブラジルのリオデジャネイロでオリンピックが開かれるが、日本人も選手を含めたくさん行くので、日本にもやって来ると予想されている。

「ジカ熱」は、蚊に刺されてジカウイルスに感染することで発症する。

世界保健機関(WHO)は1日、「ジカ熱」に妊婦が感染すると、先天的に脳の発育が不十分な「小頭症」の新生児が生まれる恐れがあるとして緊急事態宣言を出した。

ブラジルでは昨年10月以降、約4000件の小頭症の新生児が発生していて、小頭症を産んだ妊婦の羊水からジカウイルスの遺伝子が検出されていることから、「ジカ熱」に感染することで、小頭症の新生児が産まれると推測されている。

ジカ熱を治療する薬はなく、予防するワクチンもない。中絶が違法のブラジルでは、ジカウイルス患者に特別に中絶を認めるような運動が起こっているという。

妊婦以外はどうかというと、発熱や発疹など症状は風疹やはしかに似ている。重症化することはまれ。ヒトからヒトには感染しないが、感染しているヒトの血を吸った蚊が媒介する。

ジカ熱は、2014年に国内で流行したデング熱のように、日本のヒトスジシマカが媒介する。今後、蚊が発生する夏のオリンピック時期にウイルスが持ち込まれれば、国内で流行する可能性はかなり高い。

ブラジルは、地球の反対側にあって遠そうだが、身近な問題になる可能性は十分ある。


蚊

2016年1月4日月曜日

1型糖尿病の幼児が入園拒否される間違った誤解

「1型糖尿病」を発症した子供が、幼稚園や保育園への入園を断わられるということがニュースになっていた。

1型糖尿病とは何でしょうか?その前に少し復習。

私たちがご飯などを食べると、お米のでんぷんは胃と腸で消化されてブドウ糖になり、小腸から血液中に取り込まれる。ブドウ糖は血管の中を運ばれて全身の細胞に栄養として届けられる。

私たちの体内ではブドウ糖がエネルギ−源。筋肉を収縮したり、脳でものを考えるのにもブドウ糖を大量に消費する。そのため、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)は常に一定の幅に保たれている。

食後は血糖値が上昇するが、インスリンというホルモンが膵臓から分泌されて血糖値を下げようとする。インスリンに反応する細胞が血液中のブドウ糖を取り込むことで、血糖値が一定の値に落ち着く。

糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病がある。2型糖尿病は、生活習慣からくる糖尿病で、インスリン分泌が低下するなどが原因。大人になって、多くは肥満に伴って発症してくる。

一方、1型糖尿病は、「小児糖尿病」とも呼ばれ、遺伝的な理由、ウイルス感染、自己免疫によってインスリン分泌がうまくいかない。子供のときから発症しているのが特徴。2型糖尿病が次第にインスリン分泌が低下してくるのに対し、1型は突然発症する。

最近の研究で、1型糖尿病の子供で、インスリンのコントロールができないと、脳の発達が悪くなり、実際に脳のサイズが大きくならなくなることも分かってきている。。

血糖値が上昇したままになると、糖尿病性昏睡、糖尿病性腎症など、さまざまな合併症を引き起こし、最悪の場合死に至る。

そのため、いずれの糖尿病でも患者はかならずインスリンを常に携帯し、毎日自分で注射しないといけない。インスリンそのものはタンパク質で出来ているので、口から飲んでも血液に取り込まれることはないので、注射や点滴での投与が必要。

冒頭のニュースに話を戻すと、1型糖尿病の子供は食後にインスリン注射が必要になるので、幼稚園や保育園によっては入園拒否しているみたいで、その理由は「これまで受け入れた経験がない」「何かあった時に対応できない」など。

1型糖尿病は、2型と異なり運動や食事を制限する必要はなく、食後のインスリン注射が必要なだけ。今はペン型注射器なども開発され、小児でも自分で打ちやすくなっているので、少しだけ注意は必要だろうが、幼稚園や保育園が入園拒否するような大変さはそんなにないことを理解してほしい。



注射2



2015年12月23日水曜日

自然界最強ボツリヌス毒素 顔のしわとりにも

インフルエンザの予防接種や血液製剤の不法製造が問題になっていた化血研(化学及および血清療法研究所)が今度は、生物兵器にも使用可能な「ボツリヌス毒素」を無届けで、外部に運搬していたという。

外部への運搬は法律(感染症法)で定められていて、危険な毒素を持ち出す時には、県公安委員会に届ける義務があり、違反すれば罰則もある。

「ボツリヌス毒素」は、土壌中のボツリヌス菌が作り出す毒素で、致死量わずか0.7〜0.9μg。1gで約100万人分、100gで日本の人口分の致死量に相当する。その毒性は自然界最強。

「ボツリヌス」の語源はラテン語の「腸詰め、ソーセージ」という意味で、19世紀のヨーロッパでソーセージやハムを食べた人の間に起こった食中毒だったため。

この毒素は、我々の体に入ると、神経と筋肉の連絡に関わるシナプスでの伝達を阻害する、いわゆる神経毒の仲間。フグやヘビの神経毒とは作用する分子が違うが同様に神経の麻痺を引き起こす。

しかし、この毒素は、毒にもなるが薬としても使える。斜視、眼瞼痙攣、小児脳性麻痺患者における下肢痙縮など、異常収縮を繰り返す筋肉を弛緩させることで治療できる。

また、顔のしわとりなどの美容整形でも、しわを引き起こす筋肉を弛緩させるために、顔に毒素を注射する方法がある。注射するとみごとにしわがとれてすべっとする。ただし、効果は半年しか続かないので、くりかえし注射する必要がある。

化血研は、薬害エイズ事件で、汚染された血液製剤を製造・販売して多数の被害を生じさせた製造元の1つ。

今回は、先日の事件の後でもあり、隠蔽しなかった点はよかったと思うが、連続する不祥事には呆れざるをえない。このような様々なアブない薬剤を扱っている会社なのだから、常に第3者による確実なチェック体制が必要と思う。

ところで、1歳までの乳幼児には蜂蜜を与えてはいけない。その理由はボツリヌス菌やその毒素が高い確率で混ざっているため。通常の大人は問題ないが、免疫の弱い乳幼児では危険なのだ。


ハチミツ

2015年11月18日水曜日

「はやり目」が流行中 感染しない対策は?

流行性角結膜炎(はやり目)が流行している。本来夏場に流行する「はやり目」が秋深くなっても流行が続いている。

「はやり目」は、アデノウイルスの感染で起こる目の病気。アデノウイルスの感染力は高く、患者が触れたものに触れて目をこすると、高い確率で感染する。潜伏期は8~14日と長めなので、覚えがないまま突然発症する。

感染すると、結膜の充血や涙目、目やにが出る。感染力が強いので、片目が感染するともう片方も高い確率で感染する。

涙や目やにを介して感染し、特別な治療法はなく、対症療法で処置する。抗炎症剤、ステロイド剤、抗菌剤を処方する。

角膜に炎症が及ぶと透明度が低下し、混濁は数年に及ぶこともある。

都道府県別では、宮崎、鳥取、など西日本で多い。山口、広島も少なくない。

タオルなどの共有はしないことや、手洗いの励行などが大事。

流行性角結膜炎と診断されてしまったら、他の人への感染の恐れがなくなるまで
登校や登園は禁止。成人の場合でも原則的に1~2週間出勤停止になる。

家族内での感染を防ぐためには、タオルなどを共有しないことだけでなく、洗濯物を別にすること、お風呂は一番後に入ることなど、が必要。

はやり目







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