太陽のように熱いタレントの松岡修造さんが、本当に太陽になった(↓)。ファブリーズのCMでの話。CMはインパクトがあってよいと思うのだが、「日光除菌以上」とその除菌効果が増したように宣伝している。
以前、このBlogで「ファブリーズで殺菌できない」と書いた(ココ)こともあり、「日光除菌以上」になったか調べてみた。
ファブリーズの有効成分は、食品ではないので、正確に書かれていない。Quat(クウォット)と呼ばれる第四級アンモニウム塩(天然成分ではない)が使われている。緑茶成分も有効成分として入っている。いずれも、以前からの成分で新しくなっていない。
では、なにが変わったのか?
新改良のファブリーズ では、新型噴射ノズルを採用することにより、ファインミストで細かく均一に布製品にスプレーすることができる。たしかに布の表面に有効成分が接する面積が増すことで効果が増すことになる。
しかし、「繊維の1本1本までひろがり、除菌する」との宣伝だが、各繊維に届くのは、まず不可能。前にも書いたが、ファブリーズに布をつけ込まない限り、繊維全部にひろがることはない。
有効成分が触れた繊維の部分で細菌は死ぬかもしれないが、触れなかったところの細菌は死ぬことはない。
CMにある99.9%の除菌力とは、いったいどういう意味だろうか?そのまま理解すれば、1000匹いれば、1匹が残るということ。1匹の細菌が2匹に増殖するのに要する時間は20分程度。生き残った1匹が増えて1000匹になるには、16回分裂すればよいので、5.3時間で元に戻るということ。
さて、問題の「日光除菌以上」だが、ちょっと信じられない。日光の殺菌効果は、日光に含まれる紫外線による。衣類を日陰で干すのか、紫外線の強い昼12時の天日で干すのかでは、紫外線の量はまったく違う。どの条件の日光と比較したのかはHPのどこにも書かれていない。
昼12時の天日で60分干すだけで確実に殺菌できる(参照ココ)。
ファブリーズを布団やマットにかけたら殺菌できるというようなCMはさすがに問題がある。「日光除菌以上」はムリだし、ダニにはまったく効果がないので、日光でずっと干さずに使い続けると、ダニアレルギーになるかもしれない。
ファブリーズは消臭剤程度のつもりで使用し、ダニや細菌は乾燥にも弱いので、晴れの日に日光消毒することをおススメする。