2014年11月10日月曜日

シュモクザメ トンカチ型の頭部はどうなっているの?

シュモクザメは、英語では「Hammerhead shark」、トンカチ頭のサメというわけ。「シュモク:撞木」というのは、お寺でお坊さんの横にある仏具で、鐘を鳴らすトンカチのようなもののこと。(寺の外にある釣り鐘を打つ棒も撞木という)

シュモクザメは、頭部が左右に張り出してその先端に目と鼻孔がある(↓)。ロレンチーニ器官と呼ばれる微弱な電気を感知する器官もこの部分にある。

左右両方向に飛び出した位置に目があるので、真正面を見るのはにがてだが、頭を振りながらみるので、前方に何があるかは問題なく分かる。

日本には3種のシュモクザメが分布している。その中で最も普通に見られるのがアカシュモクザメで、大きくなると4メートルを超える。アカシュモクザメはサメの仲間では珍しく群れをつくる習性があり、ときには何百という大きな群れになるという。

サメは人を襲う凶暴な動物。日本でもまれにサメによる被害が起きている。サメは世界で490種ほどが知られており、その中で人を襲うサメは30種ほどに限られている。シュモクザメ類はこの30種の中に入っているが、死亡事故は報告されていない。

さて、トンカチ型の頭部にはどんなメリットがあるのだろうか?鼻孔も頭の両端に離れてついているのが臭覚の鋭いサメにとって餌の位置を知るのに有利であるという説がある。実際に、シュモクザメはにおいの方向をさぐるとき、頭を左右に振って接近していく。

さらに、ロレンチーニ器官がこのトンカチ部に広く散在して、他のサメに比べると発達しているので、砂の中に隠れている餌を見つけるのに有利になる。

最後にユーチューブにあったムービーを紹介(↓)。カヤックに乗った釣り人がシュモクザメに襲われそうになっている。サメの背びれが近づいてくると映画「ジョーズ」を思い出す。

シュモクザメ





















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