昨年からダイオウイカなど深海魚が、たくさん岸に上がったり、漁師に捕まったりして、深海魚ブームが起こった。深海生物の中で最も知られている魚の一つがチョウチンアンコウ。
チョウチンアンコウの頭に突き出ているアンテナは背ビレが変化したもので、その先端は疑似餌になっていて、他の魚などを引き寄せるようになっている。
太陽の光が届かない深海にいるので、この疑似餌は青紫の光を発光するようになっている。発光はこの部位にいるバクテリアが光っているという説と、発光物質をこの部位で作っているという説とがある。
よく出てくる写真のチョウチンアンコウはメスで、大きさが40-50cm(↓)。一方、オスは数cmと小さい。暗い深海で、メスと出会う確率は低いので、一度出合うと繁殖するまでメスに寄生している。付着しているのでなく寄生というのは、オスはメスの体に噛みついて、皮膚や血管を癒着させメスから栄養分の供給を受けるから。
種によっては、オスがメスの体表に付着した後、完全に癒合する。融合が進むと、オスの心臓も内蔵も無くなり、メスの血管から栄養を供給されるただの精巣袋となるという。長い間、チョウチンアンコウはメスしか見つからなかったのはこういう理由。