昭和を代表する俳優、高倉健さんが10日、83年の生涯を閉じた。ほとんどTVには出ないので、役者本人の性格や私生活のイメージより、映画の中のイメージの方が強い。
高倉健の人気を不動にしたのは任きょう映画。1960年代に大人気となった「網走番外地」「日本きょう客伝」シリーズなど。
多くを語らず、いざという時に体を張って、義理や人情を大事にする姿は、男のなかの男、日本男子の神髄と受け入れられた。日本生命のCMで、「自分、不器用ですから」の台詞は一番ジンとくる。武骨で寡黙な健さんのイメージがそのまま出ている。
「幸福の黄色いハンカチ」は、高倉健だからこそできた映画。愚直なまでのきまじめさ、人生を常に遠回りしてしまい、必死に生きていても損な役回りになってしまう男の姿に、皆共感と人生のつらさ、悲しみを感じた。
この映画で、第1回日本アカデミー賞・最優秀主演男優賞をとっている。2013年の昨年には文化勲章を受賞。
他にはない孤高の昭和の名優は、悪性リンパ腫のため83年の生涯を閉じた。出身は、福岡市中間市という。