2016年1月4日月曜日

1型糖尿病の幼児が入園拒否される間違った誤解

「1型糖尿病」を発症した子供が、幼稚園や保育園への入園を断わられるということがニュースになっていた。

1型糖尿病とは何でしょうか?その前に少し復習。

私たちがご飯などを食べると、お米のでんぷんは胃と腸で消化されてブドウ糖になり、小腸から血液中に取り込まれる。ブドウ糖は血管の中を運ばれて全身の細胞に栄養として届けられる。

私たちの体内ではブドウ糖がエネルギ−源。筋肉を収縮したり、脳でものを考えるのにもブドウ糖を大量に消費する。そのため、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)は常に一定の幅に保たれている。

食後は血糖値が上昇するが、インスリンというホルモンが膵臓から分泌されて血糖値を下げようとする。インスリンに反応する細胞が血液中のブドウ糖を取り込むことで、血糖値が一定の値に落ち着く。

糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病がある。2型糖尿病は、生活習慣からくる糖尿病で、インスリン分泌が低下するなどが原因。大人になって、多くは肥満に伴って発症してくる。

一方、1型糖尿病は、「小児糖尿病」とも呼ばれ、遺伝的な理由、ウイルス感染、自己免疫によってインスリン分泌がうまくいかない。子供のときから発症しているのが特徴。2型糖尿病が次第にインスリン分泌が低下してくるのに対し、1型は突然発症する。

最近の研究で、1型糖尿病の子供で、インスリンのコントロールができないと、脳の発達が悪くなり、実際に脳のサイズが大きくならなくなることも分かってきている。。

血糖値が上昇したままになると、糖尿病性昏睡、糖尿病性腎症など、さまざまな合併症を引き起こし、最悪の場合死に至る。

そのため、いずれの糖尿病でも患者はかならずインスリンを常に携帯し、毎日自分で注射しないといけない。インスリンそのものはタンパク質で出来ているので、口から飲んでも血液に取り込まれることはないので、注射や点滴での投与が必要。

冒頭のニュースに話を戻すと、1型糖尿病の子供は食後にインスリン注射が必要になるので、幼稚園や保育園によっては入園拒否しているみたいで、その理由は「これまで受け入れた経験がない」「何かあった時に対応できない」など。

1型糖尿病は、2型と異なり運動や食事を制限する必要はなく、食後のインスリン注射が必要なだけ。今はペン型注射器なども開発され、小児でも自分で打ちやすくなっているので、少しだけ注意は必要だろうが、幼稚園や保育園が入園拒否するような大変さはそんなにないことを理解してほしい。



注射2




広島ブログ