久々に山(桂木山)にのぼり、秋吉台を下に眺めながら、弁当を広げて食べている時に、手元の草の中に1 cm強のカメムシと思しきムシを発見。今までに見たことがない模様だったので、じっと眺めてみると足の数が8本。クモかとも思ったが違う。ダニ?
家に帰ってから、調べてみると「タカサゴキララマダニ」。実は、このダニ、殺人ダニ。家のなかにいるイエダニやニキビのなかに棲むニキビダニのように小さいダニと違い巨大。
このダニを含め、マダニの仲間が媒介するウイルス感染症(重症熱性血小板減少症候群;SFTS)で、山口県で昨年3人が亡くなっている。
厚生労働省によると、北海道から九州まで、少なくとも30道府県でウイルスが確認されていて、これまで国内で21人が死亡している。このダニからの感染病は新しく、昨年1月に山口県において全国で初めての症例が確認されたばかり。しかし、もう日本全国に広がっている。
最近でも、宮崎県、徳島県で老人が感染して亡くなっている。このウイルスに感染すると、発熱や下痢、嘔吐、腹痛、さらに、頭痛、筋肉痛のほか、意識障害や失語などの神経症状などを引き起こすこともある。感染から発症するまで、6日〜2週間の潜伏期間がある。
マダニは山や畑に生息していて、動物について吸血する。ペットの犬を野原で散歩させると、マダニをつれて帰ることになりやすいので注意が必要。
以前にマダニ感染症についてblogに書いていた(ココ)が、今回初めてマダニを実際に手元でみて、こんなに大きいとは思っていなかった。ちょっと驚くのは、吸血すると、長さで5倍、体積にすると100倍以上に膨れて、元のムシとは似ても似つかないようになる(↓)。
治療薬はないので、ダニに咬まれないようにするしかない。感染すると、致死率は、30%とも言われる。山や野原、公園、住宅地の庭などにもマダニはいる。足を完全に覆う靴下、靴をはいて肌の露出を少なくすることが大切。
体に取り付かれていても不用意に潰すとウイルスをさらに体にいれることがあるので、慎重にはがすか、病院に行く。
タカサゴキララマダニ
吸血後のダニ(国立感染症研究所のHPより)