カタールのドーハで開かれてたユネスコの世界遺産委員会は21日、「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)を世界文化遺産に登録することを決めた。日本からの文化遺産への登録は昨年の「富士山」に続く14件目。
自然遺産と合わせた国内の世界遺産は18件となった。国内で近代以降につくられた産業施設の登録は初めて。フランスから技術を導入して絹産業を発展させ、日本の近代工業化の象徴となって技術を海外に輸出するなど、地球規模の産業交流を伝える点が評価された。
登録対象は、1872(明治5)年に官営製糸場として設立された富岡製糸場(富岡市)のほか、近代養蚕農家の原型となった「田島弥平旧宅」(伊勢崎市)、養蚕技術の教育機関「高山社跡」(藤岡市)、冷気で蚕の卵を貯蔵した「荒船風穴」(下仁田町)の四カ所。
山口県も、世界文化遺産に登録を目指している。政府の候補のリストに上がっているのは、「明治日本の産業革命遺産」として、九州、山口、静岡、岩手県の遺産を総合したもの。山口は、萩城下町、萩反射炉、恵美須ケ鼻造船所跡、大板山たたら製鉄遺跡、松下村塾が含まれている。萩反射炉については、前にblogに書いた(ココ)。他にも、岩国錦帯橋もリスト入りを目指している。