昨年1年の訪日外国人の数が1000万人を突破した。国土交通省は、2016年までに2000万人の達成を、将来的には3000万人をめざすとしている。1000万人の訪日外国人がもたらす経済効果は、国内総生産(GDP)で見た個人消費を1%程度押し上げるという。これは、日本の防衛費に匹敵する。
今後、どんどん外国人が増えることになるが、彼らは宗教の制限で日本食がそのまま食べられないという問題があり、これから食品業界や個々の飲食店などでも対策が必要。
イスラム教では、豚肉を食べることは禁じられている。それ以外の牛や鶏も日本で普通に売っているものは食べられない。ムスリム(イスラム教信者)が、鋭利なナイフで「アッラーの御名によって。アッラーは最も偉大なり」と唱えながら屠殺した肉しか食べられない。
そういった処理をした肉、それを含む料理や食材は、ハラールと呼ばれ、特別なマーク(写真↓)がついている。知り合いのムスリムの人は、ハラール食品を近くの店で購入できないので、東京の専門店から購入している。
ムスレムの信心深さやイスラム教の宗派にもよるが、包丁や食器もハラールでない食品を扱ったものを使うこともできない場合もある。
ユダヤ教の人(ジューイシュ)の場合、ハラールに相当するのが、コーシャという。こちらはもっと厳しく、人の口に入るもの、すべてがコーシャに認定されていなければならない。
ジューイシュでも、豚肉を食べることは禁じられている。それ以外の牛や鶏については、ハラールと同じである。お茶でもコーシャ認定してもらうには、食べることが禁じられている昆虫が混ざっていないかなど検査される。
コーシャ食品は、自然食品でもあり、認定は、米国では体によいものという付加価値も生んでいる。そのうち、日本の食品に、コーシャの認定マークの入ったものが増えて行くことと思う。タカラ酒造、ヤクルト、菊水酒造などは、すでに認定を受けている。
もし、食品を製造販売していたり、飲食、レストラン、ホテルに関係している方は、コーシャ認定、ハラール認定を受けたり、受けたものを使っていると宣言すると、売り上げが上がるかもしれません。
ハラールのマーク
コーシャのマーク