2006年秋から現在にかけてセイヨウミツバチが一夜にして大量に失踪する現象が米国各地で発生、その数は米国で飼われているミツバチの約4分の1だった。ヨーロッパでも同様の現象が起きている。日本国内でもミツバチの大量死が相次いでおり、世界中の現象となっている。
ミツバチは、特にリンゴ、イチゴ、スイカなどの花の受粉に必要で、例えばハウスで育てているイチゴの場合、ミツバチをハウス内に放して受粉させている。ミツバチがいなくなるとナス、メロン、ナシ、カキなども実がならなくなってしまう。
実は、人類の食糧の三分の一は植物に依存している。ミツバチは、これら植物の80%の受粉に関わっている。つまり、ミツバチは人類の食糧の問題と直結している。
あのアインシュタインの言葉を借りると、「もしハチが地球上からいなくなると、人間は4年以上生きられない。ハチがいなくなれば受粉ができなく、植物は育たず、そして人間は滅びる」
ミツバチの大量死の原因として、ダニ、ストレス、異常気象など異常の原因として疑われてきたが、昨年、ヨーロッパで、ネオニコチノイド系農薬が原因という報告が出て、うち3種の使用の規制をすばやく決定した。
日本は、まだ規制がかかっていないのが現状。ネオニコチノイド系の殺虫剤は害虫効果が強く、少量で効果があるので広く使われている。農水省は、原因が確定しないとして腰を上げないが、疑わしければ、ともかく規制すべきと思う。間に合わなくなってからでは遅すぎる。
最近、クモの毒を利用した生物農薬が、ミツバチを殺さず、害虫にのみ効果があることが分かって注目されている。ともかく、ミツバチを大切にしないといけない。