先日のニュースによると、ネコから細菌感染した女性が亡くなった。その細菌は「コリネバクテリウム・ウルセランス」というあまり聞きなれない名前。
この細菌はもともと毒性がなかったが、ジフテリア菌の毒素の遺伝子を獲得したと考えられている。ジフテリアは二種感染症(以前の法定伝染病)に指定されていて、コレラより高いレベルに指定されている。
「コリネバクテリウム・ウルセランス」は、イヌ、ネコを含めて家畜などの動物に常在している。今回亡くなった女性は、野良ネコにえさを与えていて感染したらしい。
感染するとかぜに似た症状などが出て、重い場合は呼吸困難を引き起こす。去年11月までに国内で25人の感染が報告されているが、死亡が確認されたのは初めて。
治療は、抗生物質で細菌の増殖を抑える。イヌ、ネコが感染した場合でも、咳やクシャミ、鼻水などの風邪様症状、皮膚炎、皮膚や粘膜潰瘍などの症状が出るので、すぐに動物病院でみてもらいましょう。
また、こうした犬や猫に触る場合は、過度な接触を避け手袋やマスクをして、触った後は手洗いが必要。