2018年1月4日木曜日
そうなんだ!「君の名は」の「口噛み酒」
2016年に大ヒットした映画「君の名は」で、主人公の女の子の「三葉」が、妹の「四葉」と実家の神社で、巫女として「口噛(くちは)み酒」を神事として行うシーンがある。
映画では、その「口噛み酒」が次元を超えて宮水神社で観せるアイテムにもなっている。
映画の中で、「口噛み酒」は世界最古のお酒という説明が出てくる。お米を噛んで、唾液と混ざった状態で放置しておくだけで、お酒になるというもの。
米から日本酒を作る場合、蒸した米を麹菌(こめこうじきん)というカビで発酵させる。麹菌は米に含まれるデンプンを糖に分解する。次に酵母で発酵させることで、糖がアルコールになる。
「口噛み酒」の場合、唾液の中に含まれる酵素のアミラーゼがデンプンを糖に分解してくれる。酵母は人の体には大抵付いていて唾液にも含めれているので、酵母による発酵も起こる。
酒造り(醸造)の「醸(かも)す」は、口噛み酒の「噛(か)む」が語源。
ちなみに、女性の体に付いている酵母の数は男性より多い。今は作らなくなったかもしれないが、各家庭で糠(ぬか)床で漬物を漬けていた。漬物が美味しくなるのは、酵母がいるから。
糠床を混ぜることで、母親から娘に酵母が伝えられていったので、各家庭ごとで酵母が異なり漬物の味も異なっていた。
「君の名は」の「口噛み酒」に話を戻すと、
映画では、妹の四葉が「巫女の口噛み酒」を売り出せば、「きっと売れるわ!」と三葉に提案するシーンがある。残念ながら、個人で売り出せば酒税法違反。
しかし、映画に登場する「口噛み酒」の容器に入った「蓬莱 聖地の酒」(↓)というのがちゃっかり売られていた。