2016年5月16日月曜日

考えさせられる高額ガン治療薬の事実

日本人の2人に1人はガンを発症し、3人に1人がガンで命を落とす時代。研究が進んで、どんどん新薬が開発されてきている。ちょっと前では助からないガンでも今はかなり克服できるようになってきている。

小野薬品の新薬「オプジーボ」(一般名=ニボルマブ)が、メラノーマ(悪性黒色腫)、切除不能な進行・再発の非小細胞肺ガンの治療薬として製造販売の承認を取った。この新薬はかなり決定的なガン治療薬になるかもしれない。

オプジーボはこれまでの抗がん剤と大きく作用が異なる。従来の抗がん剤はがん細胞の増殖を抑えて死滅させるが、オプジーボは患者自身の免疫に働きかけてがんを抑える。

オプジーボは、日本発の画期的な免疫療法薬として他のがんへの適応拡大も期待されている。

ここで、問題は価格だ。治療に1年間オプジーボを使うと、3,500万円かかる。患者の平均的な負担は、上限月8万円程度で済む。個人レベルではよいことだが、残る金額は税金でまかなわれることになる。

10万人がこの新薬を使うと、3.5兆円かかる。たくさんの人が使えば単価は安くなることは予想されるにしても、国家予算の医療費を破綻させるのに十分なコストだ。

ある程度の年齢の人はこのような高額な治療は諦めてもらうなどの議論が財政制度等審議会で真面目に議論されている。

実は、医薬品の価格の高さは尋常でなく、粗利益は80%とも90%とも言われる。事情はあるのだろうが、普通の食品などが25-30%くらいなので、ここの見直しをまずしてほしい。

オブジーボ
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