今、子供の声が騒音かどうかが問題になっている。騒音を嫌がって、近所への幼稚園の新設を反対する住民が反対するというのだ。実際、子供の声を騒音と思うかどうかを全国で調査すると、騒音だという人の方が多い(↓)。
幼稚園が出す音は、騒音基準の50デシベルを越えて70デシベルで、掃除機の音やトイレの水が流れている時の音くらいになる。
多くのTVコメンテーターが子供の声を騒音というのは、人として情けないと言い、日本の将来を支える子供の声をガマンできないはずはないと言う。
子供の声は、波長でみると大人の女性より高いだけでなく、我々大人の耳には上に書いたように子供の声を聞くだけで心乱されるようになっている。人によってその感じ方や程度は異なるかもしれないが、ガマンしなさいというのは酷だと思う。
一方、子供にとって、感情を大声で出すのは人間形成にどうしても必要で、コミュニケーションもそこから学習する。どのくらいの声を出せば人に伝わるかも学ぶ。
そもそも、「児童福祉法」で「健やかに成長するという子どもの権利」が規定されていて、子供が声を出す権利は法的に保障されている。
東京都では、昨年から子供の声を騒音の規制数値から除外するという条例が昨年から施行されている。ドイツの法律を真似たものだ。たしかに、行政で子供の声を「騒音」としてしまうのは、問題が多いだろう。
少子化問題、待機時児童の問題で幼稚園などを増やすのは、日本の将来のためにも必須だが、同時に周辺住民に対してもやさしい方策が必要だと思う。
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