スケーリーフット(和名:ウロコフネタマガイ)は、2001年にアメリカ研究チームにより初めて発見された。2009年には、日本の深海調査船「しんかい6500」により、中央インド洋海嶺の熱水活動域「かいれいフィールド」の水深2,420メートルで大群集が発見された。生息する熱水噴出口付近は、暗黒、高圧、300度の高温という過酷な環境。スケーリーフットの最大の特徴は、腹足の表面に硫化鉄の鱗をまとうこと。これにより、補食されないように身を守っている。まさに鉄の鎧。
スケーリーフットは、二酸化炭素から栄養分を作り出す特殊な共生微生物を体内に住まわせ、生息に必要なほぼすべての栄養分をこの共生微生物からもらっている。最近、北海道大学他は、スケーリーフットの共生微生物の全ゲノム配列の解読に成功し、代謝経路を網羅的に同定すると共に、共生微生物の伝播様式を突き止めたという。