インフルエンザの警報が出ています。ほぼ全国で警報が出ています(↓)。
1シーズンでのインフルエンザ患者数は1000万人にもなります。今期から新薬の「ゾフルーザ」が利用できるようになりましたが,問題点は多いようです。
「ゾフルーザ」は,シオノギ製薬が開発した新薬で,メリットは服用1回で済むこと。
これまでの薬(タミフル・リレンザ・イナビル)は、インフルエンザウイルスが体内の細胞内に入り、細胞の中で増殖したあと、その細胞外に出てくるところをブロックする。
一方,「ゾフルーザ」は,ウイルスにしかないキャプ依存性エンドヌクレアーゼ活性を阻害することで,ウイルスのmRNAの合成が阻害される。そのため,ウイルスは細胞内で増殖できない。(詳細が知りたい方は,ココのムービーを参照)
問題なのは,「ゾフルーザ」は,耐性ウイルスが出やすいこと。要するに,効かなくなる変異ウイルスが新たに体の中でできるということ。
その確率が,成人で9%,子供で23%と高い。特に子供の場合に高いのが気になる。ただ,変異ウイルスに病原性があるのかまだ不明。
新しい薬だけに,タミフルで最初に問題となったような副作用があるかは,今期たくさんの人が使うことで初めてわかることになる。
また,1回の治療費はゾフルーザが4,789円とお高い。タミフルが2,720円、昨年発売されたタミフルのジェネリックは1,360円(医療保険加入者は、この1~3割負担)。
というわけで,耐性化のリスク,コスト,未知の副作用のリスクをを考えるとしばらくタミフルを選択した方が賢いかも。