MERS (Middle East Respiratory Syndrome Coronavirus)は、2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症。原因となるウイルスはMERSコロナウイルスで、2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因となったのもコロナウイルスの仲間。
MERSは、その名前のとおり、主としてアラビア半島諸国など中東地域で患者が報告されているが、中東に行って感染したヨーロッパ、アメリカやアジアの患者が報告されている。日本にも時間の問題で入ってくるということで、今回指定感染症になったわけだ。
現在、MERSに対するワクチンや特異的な治療法はない。人がどのようにしてMERSに感染するかも、まだ正確には分かっていない。人から人に感染すると考えられている。MERSコロナウイルスと同じウイルスが、中東のヒトコブラクダから分離されていることから、ラクダがMERSウイルスの感染源動物として最も有力視されている。