食品メーカーやスーパーなどがつくる協議会は、賞味期限の表示の自主ルールをこれまでの「年月日」から「年月」表示に変えることを決めた。来年秋から実施になる。
さて、「消費期限」というのもあるが、「賞味期限」はどう違うのかしら。
賞味期限は、おいしく食べられる期限のこと。ハム・ソーセージやスナック菓子、缶詰など冷蔵や常温で保存がきく食品に表示してある。未開封で、表示されている保存方法に従って保存したときに、美味しく食べられる期限を示している。ただし、賞味期限を過ぎても食べられなくなるとは限らない。
一方、消費期限は、乳製品、お弁当や洋生菓子など、長くは(5日くらいしか)保存ができない食品に表示している。未開封で、表示されている保存方法に従って保存したときに、食べても安全な期限を示している。
今回の改正では、「14年7月1日」としてきた賞味期限を「14年7月」にする。7月1日でも7月31日でも同じ表示になるが、1か月程度の差であれば、美味しさや安全性には問題がないからだ。
消費者からみれば、賞味期限は「年月」より「年月日」の方が便利には違いない。しかし、賞味期限が近づいた商品は、まだ食べられるにもかかわらず、廃棄せざるをえないことが多い。
日本の商習慣では、賞味期限までが3分の1となった商品は出荷されずに廃棄処分となることが多い。「年月」で表記すれば、廃棄量を減らせることになる。
日本での食品廃棄の量は年間約1700万トン。このうち、まだ食べることが可能でも廃棄される量は、500から800万トンあるという。
一方、世界で飢餓で苦しむ人の数は10億人といわれる。食品のムダを減らす努力として、我々は少しぐらい便利さを我慢しないといけない。