2014年8月12日火曜日

米で水道水が飲用禁止に、原因は藻毒

米オハイオ州トレドで今月3日から、同市と郊外の住民少なくとも40万人に対し、藻の繁殖によって発生したとみられる毒素「ミクロシスチン」が水道水から検出されたため、飲料用として水道水を利用しないよう警告が発令された。

夏場で、水源のエリー湖でアオコが発生したという。アオコは、富栄養の湖などで光合成のできる細菌(藍藻)や緑藻が大量発生して、湖の表面が緑に覆われる状態のこと。

藍藻の仲間には、毒素「ミクロシスチン」を出すものがいる。ミクロシスチンは、7個のアミノ酸から構成される非リボソームペプチドである。初めて知ったが、生物にはリボソームによらない、タンパク合成の系があるらしい。

問題になった水道水には、飲料に使えないとされる1リットルあたり1マイクログラムを越えるミクロシスチンを検出したという。ミクロシスチンの致死量は50マイクログラム。フグ毒のテトロドトキシンの致死量が1~2 mgということなので、フグ毒の20倍以上の毒性を持つことになる。アメリカでは、ミ クロシスチンは準生物化学兵器指定されている。

ミクロシスチンは、沸騰させても、毒性は減らない。減るどころか増えてしまうという。ミクロシスチンは少量でも吐き気や下痢を引き起こしたり、肝機能に悪影響を及ぼす恐れがあるという。

エリー湖でアオコが発生した原因は、流入した農業用肥料に含まれるリンやチッソによって藻が大繁殖したからという。

日本でも、琵琶湖沿岸で2007年に飼育中に斃死したアイガモの肝臓に高濃度で蓄積されていた事が報告されている。もし知らぬ間に水道水に混入していたら大変なことになる。


ミクロキスティス


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