2018年2月1日木曜日

中国でクローン猿が初めて誕生:大丈夫か?


先日、中国科学院の研究チームが「クローン猿」を作るのに成功したと発表した。カニクイザルのクローン猿で、「チョンチョン」と「フアフア」という名前がつけられた。

生殖細胞ではない体細胞からのクローンの脊椎動物の作成は、歴史的にはカエルから始まり、今までにネコ、イヌ、ヒツジ、マウス、ブタ、ウマなどで成功している。哺乳類の最初のクローンは、ヒツジの「ドリー」で有名。

「核」を取り除いたカニクイザルのメスの卵に、胎児の体細胞の「核」を入れた。「核」には体を作る遺伝子情報が書かれたDNAが入っている。79個の卵を21匹のメスの子宮に移植した結果、6匹が妊娠し、2匹が1匹ずつ出産した。

この実験の意味するのは、自分と完全に同じ遺伝子をもつ体を、生殖細胞(精子と卵)を使わずに、たとえば皮膚の細胞から作ることができることを意味する。

古い映画だが、モンキー・パンチの「ルパン三世 ルパンVS複製人間」(1978年)で登場する「マモー」(↓)がクローン人間だった。バイオハザードの主人公アリスもクローンがたくさん出てきた。

今回の研究で「クローン猿」ができたことで、霊長類のヒトのクローンの可能性に一歩近づいた。ただ、この手の研究は、倫理的に問題があり自粛されていた。

クローン人間から心臓や内臓を取り出して、病気の人に利用しようという考えだが、クローン人間自体知性感情もあるヒトなので、許されないだろう。

その代わりの研究が最近の再生医療。ips細胞をはじめとする多機能性幹細胞を用いることで、内臓や組織を再生しようという試み。

ただ、まだまだ細胞を使って心臓や膵臓全体を作る方法はないので、ヒトの多機能性幹細胞を膵臓を除いたブタに入れてヒトの細胞でできた膵臓を作らせる研究も始まっている。まあ、この場合でも心臓は作れませんが。。





ルパン三世に登場する「マモー」

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