夜に寝床でスマートフォンをよく使う学生は、大学の講義中に居眠りをしやすいという研究結果を、大阪バイオメディカル専門学校の吉村道孝講師(臨床心理学)が日本睡眠学会で発表した。 寝床では目とスマホの距離が近く、液晶画面から出る青色光(ブルーライト)が眠りの質に悪影響を与えている可能性があるという。
研究は大学生337人を対象に、消灯後にスマホを使う頻度と睡眠の内容を尋ねた。消灯後にスマホを使う回数で、学生を「週4日以下」「週5日以上」に分けた場合、夜の睡眠時間に差はなかった。しかし「週4日以下」の学生が、1週間で講義中に合計1時間以上の居眠りをする割合が7・1%だったのに対し、「週5日以上」の学生は17・0%と、倍以上に増えた。(2013年7月1日 読売新聞)
紫外線の次にエネルギーの大きな青色の光は網膜に影響を与えるということで、長くPCやスマホの画面をみる人用に最近専用の眼鏡が人気を呼んでいる。目の疲れや頭痛などの症状の緩和効果があるという。
ブルーライトはまたサーカディアンリズムにも影響を与える。人は、朝日の青色光により体が目覚め、夕暮れのオレンジ色の光でやすらぎを覚え、暗闇と共に眠りにつく、といった光による周期がある。しかし、現代人の生活環境では、室内照明のほか、夜間にパソコンやゲーム、テレビ、ケータイ電話といった光源からの光刺激に曝露されており、これらが不眠や生体リズムの狂いに影響を与えているのではないかと考えられている。