WHOによると、2012年に世界全体で結核にかかった患者が860万人に上り、このうち130万人が死亡したという。また、結核治療薬のイソニアジドとリファンピシンという2つの薬剤に同時に耐性となった「多剤耐性結核菌」感染者は45万人を数え、うち17万人が死亡した。
一方、超多剤(広範囲薬剤)耐性結核(XDR-TB)と診断された患者数も11年の1464人から12年には2230人に急増している。XDR-TBは多剤に耐性を持つ結核でほとんど治療選択肢がない。
日本も関係が無いわけでない。結核の罹患率は西欧に比べてかなり高い(下の図)。この表にはないが、疫学情報センターのデータによると、アジア全体で高く、2010年の統計では、10万人あたりの罹患率が日本で18人、韓国は87人、フィリピン179人、タイ96人、インド109人である。アフリカは、この10倍くらいになる。