2013年10月29日火曜日

WHOが宣言、薬物耐性結核が急増

世界保健機関(WHO)は23日、薬物耐性を持つ結核が公衆衛生上の危機となっていると宣言した。患者数があまりにも急増し、一部の国では患者全員を治療するために十分な治療薬や医療従事者が不足しているほどだ。

WHOによると、2012年に世界全体で結核にかかった患者が860万人に上り、このうち130万人が死亡したという。また、結核治療薬のイソニアジドとリファンピシンという2つの薬剤に同時に耐性となった「多剤耐性結核菌」感染者は45万人を数え、うち17万人が死亡した。

一方、超多剤(広範囲薬剤)耐性結核(XDR-TB)と診断された患者数も11年の1464人から12年には2230人に急増している。XDR-TBは多剤に耐性を持つ結核でほとんど治療選択肢がない。

日本も関係が無いわけでない。結核の罹患率は西欧に比べてかなり高い(下の図)。この表にはないが、疫学情報センターのデータによると、アジア全体で高く、2010年の統計では、10万人あたりの罹患率が日本で18人、韓国は87人、フィリピン179人、タイ96人、インド109人である。アフリカは、この10倍くらいになる。







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