中国は10月1日、64回目の建国記念日に当たる国慶節を迎えた。北京では空が青く澄み渡る気持ちの良い季節として知られてきたが、今年は微小粒子状物質PM2.5による大気汚染で、天安門の毛沢東の巨大肖像画もかすんだ。
9月29日、北京の1立方メートル当たりのPM2.5濃度は、日本の環境基準値の約8倍の250マイクログラムを記録した。中国政府はすでに2017年までに大幅改善を目指す計画を発表したが、汚染の原因も明確に特定されていない。(朝日新聞、2013.9.30)
7年前に北京に行った時、道路の反対側の建物がかすんでいた。黄砂のためかと思っていたが、その時すでに大気汚染はひどかったのかもしれない。中国政府は最近になって大気汚染を認めたが、それまでは黄砂ということにしていた。北京の米国大使館が2011年から、敷地内でPM2.5を観測したデータを1時間ごとに公表し、警戒を呼びかけ始めたのがきっかけで、汚染の実態が明らかになり、中国市民からの批判が強まり、12年1月から観測データを公表している。
北京大学の昨年の研究では北京、上海、広州、西安でPM2.5を原因として年間8千人が死亡、世界銀行と環境保護部の2007年の研究では中国全土で大気汚染により年間35~40万人が死亡と推計している。