交尾中のハエが出す音は、天敵のコウモリをおびき寄せ、無防備な状態で死へとつながってしまうという研究結果が、7月24日の米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に掲載された。
ドイツ・マールブルク(Marburg)近郊の牛舎に集まるハエとコウモリを観察した研究グループは、ハエが交尾中に捕食される確率が圧倒的に高いことを発見した。独マックス・プランク鳥類学研究所のステファン・グライフ(Stefan Greif)氏によると、動かずに1匹だけでいるハエと比べて交尾中のハエは獲物になる確率が6倍になったと説明している。交尾中のハエの26%がコウモリに襲われたという。
交尾中に発せられる高周波音がコウモリを引き付けているのではないかと考えた。この仮説を裏付けるため、天井に設置したスピーカーから事前に録音したハエの交尾の音を流したところ、コウモリたちはスピーカーを襲い始めた。交尾中のオスが羽をばたつかせて出している音に反応すると考えられる。(AFP)