陛下は、82歳と高齢となった今も国事行為をはじめ数多くの公務を続けられている。宮内庁のHPでは皇室の毎日の公務日程が見れる(ココ)。
陛下は、「憲法に定められた象徴としての務めを十分に果たせる者が天皇の位にあるべきだ」とお考えになり、今後、公務を減らしたり代役を立てたりして天皇の位にとどまることは望まれていないということらしい。
実は、昭和天皇まで124代のうち、半数近くが生前に皇位を譲っている。しかし、江戸時代後期の光格天皇を最後におよそ200年間、譲位は行われていない。
「皇室典範」に天皇の退位の規定はないので、天皇陛下の意向は、皇室典範の改正なども含めた国民的な議論が必要になるだろう。
「務めを十分に果たせる者が天皇の位にあるべきだ」というお言葉は、真摯に公務に取り組んでこられた陛下だから言えるのだと思う。
確かに、国民には定年があるのに天皇という務めに定年がないのは変とも思う。天皇は、わたしたち国民の「父」のような存在でもあるので、その父を定年なしで82歳まで働かせることはどうかと思う。
昭和天皇が崩御されたのは昭和64年1月7日で、8日から平成元年になった。昭和64年は7日しかなく、平成元年は正月がない。実際、しばらく年の計算をするとき混乱をまねいた。
国民と同じ定年制をとって、たとえば天皇は65歳で今後退位することに決めてしまえば、天皇が恣意的に退位するなどの問題もないし、新年号が確実に正月からスタートして混乱も起こらない。
一方で、公務を減らしてでも、天寿を全うするまで続けていただきたいという気持ちもある。その時が来たら国民みなが喪に服し悲しみの先に次の天皇を迎え新たな時代が生まれるのがよいとも思う。
生前退位の結果、皇太子様が天皇になれば「平成」は次の年号に変わってしまう。変わった後に崩御があった場合、なにか忘れられた人が亡くなったような印象になると悲しい。(昭和天皇が崩御されたとき、TVもCMを中止し国民は喪に服した)