結核で亡くなった日本の歴史上の人物としては、高杉晋作、沖田総司、樋口一葉、石川啄木、正岡子規などたくさんいる。過去には結核が日本の死亡原因の1位で、結核を治すためのサナトリウムというのもその時代の設備だ。
結核菌を殺す抗生物質が開発されてから、結核は治せる病気になった。また、予防としてBCG接種(腕のスタンプ注射のこと)が行なわれるようになって、結核感染は激減した。
ところが、結核菌には感染した細胞内に潜伏できる性質があり、潜伏すると抗生物質が効かない。そのため、感染しても免疫力のある歳の間には発症せず細胞内に潜伏し、加齢と伴に免疫力が低下すると突然発症を始めることがある。
その場合、細胞内に潜伏していた細菌が細胞を壊して外に出てきて、増殖を始める。増殖の初期であれば、抗生物質が効く。ただ、最近は多剤耐性の結核菌が問題になってきている。
2014年の日本の年間結核患者2万人のうち、50歳以上が80%を占める。80歳以上でみれば全体の40%。医療では先進国の日本と思いきや、結核に関しては途上国並みの高い感染率になっている。
健康診断のX線検査は、結核で肺に異常を見つける検査。また喀痰(かくたん)検査で、結核菌がいるかどうかも調べる。これらの健康診断は毎年受けた方がよいです。
厚生省のポスターから