2019年4月12日金曜日
そうなんだ:「なごり雪」の意味
先日,寒気団が降りてきて,東日本では4月にもかかわらず,雪が降ったそうです。
TVの天気予報で,これを「なごり雪」と呼んでいました。「なごり雪」は,春になっても溶けないで残っている「残雪」と思っていました。ちょっと変と思い,調べてみました。
「なごり雪」といえば,イルカが歌った名曲が有名ですが,作詞・作曲は「かぐや姫」のメンバー伊勢正三。
この歌は,伊勢正三の郷里の大分県にある日豊本線津久見駅がモデルとのこと。この曲を発表した当時、「なごり雪」という言葉は存在しなかったそうです。
大分県がモデルだとすると,春まで積雪が残ることはあり得ないでしょう。
さらに調べてみると,「名残の雪」という言葉はずっと以前からあったみたいで,俳句の季語にも使われています。
その意味は,1)春が来ても残っている雪,2)春が来てから降る雪,の意味があります。つまり,上で考えた両方が意味としてありうるわけです。
さて,「なごり雪」は,歌詞が由来なので,歌詞を改めて見てみます。
汽車を待つ君の横で僕は
時計を気にしてる
季節はずれの雪が降ってる
東京で見る雪はこれが最後ねと
さみしそうに君はつぶやく
「なごり雪」も降るときを知り
ふざけすぎた季節のあとで
今春が来て君はきれいになった
去年より ずっと きれいになった
改めて見ても,よくできた歌詞ですね。歌詞にあるように,「なごり雪」は,春になって季節外れに降る雪のことのようです。
というわけで,TVのお天気ニュースの「なごり雪」の表現は正しかったみたいです。
津久見駅にある伊勢正三の石碑