2019年4月3日水曜日
そうなんだ「せどり」「競取り」「糶取り」「背取り」「瀬どり」
「せどり」という言葉を,最近いろいろな場面で聞いて,いくつか意味があるようです。
「せどり」に当たる漢字には,「競取り」「糶取り」「背取り」「瀬どり」がある。
「背取り」は,古書の業界用語で、掘り出し物の古本を見つけて高く転売することを意味する。本の背表紙を見て本を選ぶことから「背取り」となったらしい。
「競取り」は元々「糶取り」と書いたので,「競取り」と「糶取り」は同じ由来。「糶取
り」の「糶(うりよね)」というのは、「米を売りに出す」という意味。さらに,「糶取り」は,「米の競り売り」のことも意味するようになる。
さらに「競取り」になって,コメに限らず,業者の中間に立って品物を取り次ぎ、その手数料を取ることを意味するようになった。
たぶん「せどり」と音が同じで,「背取り」と混同していったのかもしれないが,「競取り」「糶取り」「背取り」は,「安く買って,売ることで利ざやを稼ぐ」という同じ意味に変わっていたのかも。
最近は,前に紹介したようなソフトを使ってネットで,最安値でカメラなどを購入しオークションで転売するような個人が現れていて,これも「せどり」と呼んでいる。
ところで,もう少し前の北朝鮮関連のニュースで,「瀬どり」というのが出ていました。経済制裁で輸入制限を受けている北朝鮮の船が,日本海で韓国のタンカーからオイルを受け取っているのを「瀬どり」と呼んでいた。
どの「せどり」も,少し後ろめたくあまり褒めたものではなさそうですね。