子供の頃、漢方薬のお店のショーウインドウには、気持ち悪い人形や漢方薬の原料になる植物や動物の標本が飾ってあった。
朝鮮人参などの標本が大きなガラスの瓶に入っていたり、ヘビや鹿の角もあったように思う。経絡が漢字で書かれた気持ち悪い人形や内臓を見せた人体模型もあった。
薬を作るための、薬研(やげん)、碾き臼、天秤、薬種を保管する百味箪笥なども置いてあって独特の世界があった。
動物性の生薬は、難病や精力に効果があるということで、中国などで高い値段で取引されている。
先日、香港の警察でセンザンコウのウロコ4トンが押収された。センザンコウは、体表に大きなウロコがたくさんある動物。ウロコがある点ではアルマジロに似ているが、アリクイの仲間に近い。実際長い舌を使ってアリを食べる。
センザンコウのウロコは、難病に効く生薬で、また媚薬としても珍重されている。今回押収された量で、約1億3000万円するそうだ。
センザンコウはワシントン条約で輸出入が禁止されている絶滅しかけているレッドリスト動物。今回のウロコをとるには、6,000匹くらいが殺されていることになる。