2019年3月16日土曜日

イージス・アショアは必要か? 一考察



イージス・アショアの設置場所と予定されている山口県,秋田県で住民の反対が出ています。

ご存知のように,イージス・アショアは,米国ロッキード・マーティン社製の陸上設置型のミサイル迎撃設備。

米国から今回購入する2基の価格は,合計約21億5千万ドル(約2350億円)と安くない。

日本は,すでにイージスシステムを持ついわゆるイージス艦を6艦保有している。ミサイルが1機やってくるだけなら迎撃するのは,日本列島どこでも問題ない。

ところが,北朝鮮が日本に向けて配備しているミサイルの数は数百発。多量のミサイルが同時に発射されたら,対応できない。

日本には,イージス艦以外にも,地対空誘導弾パトリオット(PAC-3)もあるが,PAC-3の射程は20km前後と短いので,防衛には限界がある。大気圏外まで打ち上げて落とす軌道で来られると速度が早すぎて対応できない。

これらに少しでも対応するには,イージス艦の数を増やす方法もある。1艦が1,500億円。イージス・アショアより安価。

イージス・アショアのメリットは,常に洋上に出ていないといけない乗員の問題で,アショアであれば,陸地なので自宅から通えるから。

一方,イージス・アショアのデメリットは,今回予定されている山口や秋田のように特定の地域に固定されるので,敵から最初に狙われる可能性がある。また,スパイ工作員が破壊を試みるかもしれない。

また,アショアから発射されるミサイルは3段式になっているので,地面に切り離されたロケットの一部が落ちてくる。これに当たる被害リスクは低くない。

実は,アショアを可動式にすることは可能なので,山口県萩市などと場所を固定しなければ,今回のような問題はなかったのかも。

コストを含めて総合して考えてみると,イージス・アショアの代わりにイージス艦の数を増やすのがよいと思う。総理,大統領のトップ会談で決まったことかもしれないが,沖縄と同じように,特定の地域に迷惑をかけるやり方は,もう難しいのではないでしょうか。


イージス艦

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