2015年9月9日水曜日

いますぐそこにある危機:外来スズメバチがやってくる

南方にもともと生息する生物が、地球温暖化のため日本にやって来ている。夏に多くの海水浴場にサメや猛毒のヒョウモンダコが出現したのもその例。

今、環境省が慌てているのが、外来種のツマアカスズメバチという外来スズメバチ。現在、韓国から貨物船に乗って長崎県対馬に広がってきている。本州に広まるのは時間の問題とされている。

このスズメバチは、東南アジア、中国にもともと生息していた。韓国で2003年に初めて見つかり、その後韓国全土に広がっていった。発見から7年後の2010年の調査では、捕獲されたスズメバチの4割近くを占めるほどになった。

ヨーロッパにも、2005年中国から輸入された盆栽にまぎれてフランスに上陸。入ったと思ったら、ヨーロッパ全土に拡大しているという。

ツマアカスズメバチの生息地が広がる原因は、温暖化とともに新天地には天敵がいないことが大きい。さらに、このスズメバチは、繁殖力が強く増える速度が早い。なんとか対馬から九州に渡らないように瀬戸際でとどめる必要がある。

成虫の体長は、女王バチが3cm、働きバチが2cmと、日本のスズメバチに比べて大きくないし、毒性も小型のぶん日本種より劣るが、攻撃性が高いということで、刺されればだいぶ痛い目にあう。体調によっては、ショック死もありうる。

このスズメバチが日本に来ると、何が問題かというと、1つはもちろん危険なこのスズメバチが増えること。もう1つは、このスズメバチが補食するのは、主にミツバチなので養蜂産業がダメになる。

蜂蜜が出来なくなるだけと思うかもしれないが、ミツバチをたよりにする受粉が必要な植物、野菜、果物は少なくない。リンゴもイチゴもスイカも食べられなくなる(以前のBlog参照ココ)。

あのアインシュタイン言わく、「もしミツバチが地球上からいなくなると、人類は4年以上生きられない。ミツバチがいなくなれば受粉ができなく、植物は育たず、そして人間は滅びる」

ちょっとだけ期待するのは、もし本土に侵入してきても在来の大型スズメバチが攻撃する可能性。勝ってくれれば、これに越したことはないのだが。


ツマアカスズメバチ

参照は「対馬の昆虫館」(ココ

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