2015年9月7日月曜日

東京五輪エンブレムの白紙撤回の顛末

東京五輪のエンブレム(シンボル)が白紙撤回された。すでにこのエンブレムを使ったポスターやグッズの作成などに使った経費(税金)が6000万円近くもムダになったらしい。競技場設計の白紙撤回も含めて、政府はしっかりしてほしいものだ。

エンブレムをデザインしたのは、アートディレクターの佐野 研二郎氏。審査委員会は非公開で決定したが、この審査過程でも佐野氏のデザインに類似性があったので変更している。類似性があった時点で、日本国を代表するものなのだからアウトにすべきだった。

発表後、ベルギーのリエージュ劇場のロゴに「そっくりだ」と問題になり、このデザイナーに訴えられることになる。審査委員会や組織委員会は、前もって類似なものを徹底的に調べることができていなかったのか、このぐらいならだいじょうぶと判断をあやまった。

訴えられた時点でも、組織委員会は、佐野氏のデザインの生成過程やコンセプトが異なると突っぱね、エンブレムの使用継続を発表した。

ところが、佐野氏のデザインしたトートバッグのデザイン、東山動植物園のマークが他のデザイナーのデザインの「パクリ」ではないかとと次々にでてきた。

決定的なのは、羽田空港に五輪エンブレムを配置させたサンプル画像だ。この画像の背景は明らかにインターネット上の個人サイトから無断転用されたもので、佐野氏自身も認めた。

組織委員会は、ついに「国民の理解が得られない」として白紙撤回を決定した。佐野氏に問題はあるが、それを見抜けなかった委員会にも大いに責任がある。

その後もどんどん佐野氏のデザインで「パクリ」と思われるものが出てきている。群馬県太田市、建設中の公共施設に、佐野氏がデザインしたロゴを採用したが、これも「パクリ」の可能性が高いという。

まったく分野は異なるが、この事件は昨年の小保方問題とよく似ているものがあると思うのは、考えすぎだろうか?

小保方氏の場合、研究結果を地道に出して証拠の写真を論文に載せていくはずの研究姿勢に対する教育ができていなかった結果、彼女は悪気なく論文にねつ造した写真やデータを載せた。

佐野氏も、発覚した問題のデザインの多量さから察すると、「パクリ」について悪いことと思っていないのではないだろうか。

知的財産や著作権についてちゃんとした教育を受けていず、なぜ皆が非難するのかわからない、のでは。他人のデザインも少し変えれば自分のデザインとして通用すると信じているのかも。

(このBlogでもかってにネット上の写真を使っているので、あなたもだと言われるかもしれません。スイマセン。)

さて、今後の五輪エンブレムの選考だが、公開にして誰の目からもこれがよいと思えるものをネット上で選んでいくのがよい。今、ニュージーランドが国旗デザインを選考中だが、国民がネットで候補を絞りながら進めている。参考になるかも。


佐野、小保方


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