2017年12月22日金曜日

大相撲日馬富士の暴力事件の顛末


日馬富士と貴ノ岩の暴力事件が毎日TVで放送されていますが、この事件、それほど大きなニュースになるような内容なんでしょうか。

発端は、モンゴル出身の力士たちが鳥取で酒宴していて、白鵬が、先輩力士に対する貴ノ岩の態度を注意したこと。

この酒宴は、相撲強豪校・鳥取城北高校主催のもので、高校の先生もいたので、白鵬は、「相撲で生活できるのは、高校の先生方にお世話になったからだ。恩を忘れないように」と説教した。

貴ノ岩は、モンゴルから鳥取城北高校に相撲留学で日本に来ている。

白鵬のありがたい言葉にもかかわらず、貴ノ岩は携帯をみるなど無礼な態度をとったので、それを見て頭にきた日馬富士が怒って殴る行為に出てしまった。

日馬富士は「謝れ」と言いながら、平手で十数発、さらにそばにあったカラオケのリモコンで頭部を数回殴打。この時、頭部が切れ出血することになる。

貴ノ岩の師匠の貴乃花親方によると、「ビール瓶で殴られた」、さらに馬乗りになったり、灰皿を投げたということだったが、そうした事実はなかった。

考えてみれば、彼らは相撲レスラー。土俵では殴り合いに近いことをやっているのだから、このくらいなら大丈夫というところは分かっていたに違いない。頭部の皮は切れやすいので、縫うくらいの傷は大したことがないと思う。

昔、プロレスでアブドラ・ザ・ブッチャーは、フォークで相手を傷つけて、失血を見せるのが興行だった。

同席していた照ノ富士も説教され殴られたが、「ごっつぁんです」と言っている。

貴乃花親方が、「ビール瓶で殴られたため、貴ノ岩の頭が割れた」という説明をしたのが、この事件を大きくしてしまった。これがなかったら、これほどの騒動にはなっていなかっただろう。

以前、横綱だった朝青龍は一般人に暴力を振るったために、横綱を辞めることになった。今回の場合、暴力は確かに問題かもしれないが、だいぶ事情が違うように思う。

マスコミの大げさな対応で、大ニュースになってしまって、日馬富士は横綱を辞めることになってしまった。前場所には優勝しているにもかかわらずだ。

相撲協会の聴取で、貴ノ岩はどうして殴られるのか分からなかったと言っている。どうも、「しつけ」ができていない子供なのかもしれない。

相撲協会は、浮き足立ってだいぶあたふたしたように見える。貴乃花の態度も問題だが、振り回された結果、「暴力禁止」を宣言してしまった。大相撲では伝統的に力で若い力士の「しつけ」をしてきたはず。重い決断をしてしまったように思う。






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