国立がん研究センターなどが、血液に含まれるマイクロRNAを計測して、がんを簡単に早期診断できる画期的な次世代診断システムの開発を行なうと発表した。2年後の実用化を目指すという。
マイクロRNA(miRNA)とは、細胞内に存在して、タンパク質をコードしていない長さ20から25塩基ほどの短いRNAで、遺伝子発現を調節していると考えられている。
がん組織はエクソソームという小胞(直径1万分の1㎜以下)を血液などの体液に出しており、中にそれぞれ特有のマイクロRNAを含んでいる。細胞ががん化すると血液中に分泌されるマイクロRNAの種類や量が変わることが最新の研究で分かってきた。
国立がん研究センターに保存されている大量のがん患者の血液を詳しく分析し、乳がんや大腸がんなど日本人に多い13種類のがんについてがんの目印となるマイクロRNAを見つけ出し、新たな検査法の開発をしようというものだ。
このマイクロRNAによる検査法は今までにないがんマーカーで、感度と特異性が高い。また、血液をとって検査するだけなので、安価で迅速、かつ正確という。感度が高いので、ごく初期のガンも発見できることが期待される。
日本人の3分の1はガンで亡くなっている。ガンは初期であれば、治療回復が可能な場合が多いので、ぜひ早く実用化してほしい。