米国アラスカの海岸に大量のセイウチが押し寄せている。3万5000頭を超すセイウチが群れをなしている様子を米海洋大気局(NOAA)が公開した(↓)。
セイウチは、もともと北極圏の沿岸の氷の上に生息する。ところが、北太平洋の大部分で海面温度が平年を3度上回っていて、氷の面積が激減したため、海岸に集まってしまったらしい。
セイウチは、ロシア語でトドという意味だが、トドはアシカ科で、セイウチはセイウチ科で異なる。セイウチは、成獣で体長3m、体重1,000 kgと巨大で、1mにもなる牙が特徴的。
戦いに勝ち抜いたオスが、多くのメスを従えたハーレムを形成する。海に浮く氷にそれぞれの群れができるので、群れごとに散らばっているのが普通なのだが、氷がなくなって海岸に流されてきたらしい。
セイウチは、航空機のエンジン音で一斉に海へと逃げ出す性質があり、子どものセイウチは暴走した大群に踏みつぶされる危険性が高い。米連邦航空局は、この上空での航空機の飛行を制限した。