動物も同じように迷うようです。
おなかを空かせたロバが、左右に道が分かれた岐路に立って、その道の先には、どちらも同じ量の干草のご飯が置かれていた場合に、ロバはどちらの道も進めずに餓死してしまう、というのです。
これは、心理学で使われる有名な例え話で、「ビュリダンのロバ」という。フランスの哲学者ジャン・ビュリダンが提唱したもの。
選択にはしばしは「痛み」を伴う。どちらかという「選択」をおこなった場合,「別の道の方がよかったのではないか」という後悔や不安の念にかられることになり,それが強い心の痛みになる。
その痛みは、ときには餓死よりも強い痛みになるので、ロバは選択できずに餓死したというのです。ビュリダンは、コインでも投げて考えずに決めなさいと勧めている。実は、本当に良い選択というものはないのかもしれません。
ところで、本当のロバは餓死することはない。コインなしでも、どちらかの道を選択することができるのです。であれば、人もできるはずでしょうね。