2014年1月15日水曜日

韓国で「三日熱マラリア」流行、日本にも?

三日熱マラリアが、韓国で流行している。北朝鮮から飛んできた蚊によってもたらされた可能性があるとの調査結果を、国立国際医療研究センター研究所の狩野繁之熱帯医学・マラリア研究部長らの研究グループがまとめた。日本にも広がる可能性があり、警戒が必要としている。

三日熱マラリアは、蚊(ハマダラカ)を媒介にして、原虫が原因で発症を引き起こす。他のマラリアに比べ軽症だが、体の弱っている人が感染すると死亡する場合もある。治療薬はあるが、ワクチンはない。

マラリアを発症すると、40度近くの激しい高熱に襲われるが、比較的短時間で熱は下がる。しかし、三日熱マラリアの場合48時間おきに、四日熱マラリアの場合72時間おきに、繰り返し激しい高熱に襲われることになる(これが三日熱、四日熱と呼ばれるゆえんである)。

この周期性は原虫が赤血球内で発育する時間が関係しており、三日熱マラリアの場合、48時間ごとに原虫が赤血球から血中に出るときに赤血球を破壊するため、それと同時に発熱が起こる。そしてまた、原虫は新たな赤血球に入る。これが集団で同調しておこるので、周期が生まれる。熱帯熱マラリアでは、赤血球内での発育の同調性が良くないために周期性がない。一旦熱が下がることから油断しやすいが、すぐに治療を始めないとどんどん重篤な状態に陥ってしまう。

三日熱マラリアは熱帯地域から温帯地域にかけて発生する。日本では1959年に、韓国では70年代後半に感染を抑えることに成功した。ところが、韓国では93年に再び感染が確認され、感染者は2000年に4千人を突破、年ごとに3~4倍ずつ増加しているという。



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