一昨年12月、東京・調布市の小学校で食物アレルギーのある女子児童が給食を食べたあとに死亡した事故を受け、文部科学省が全国の公立の小中学校と高校を対象に9年ぶりに行った。調布市の小学校の事故については、以前のブログで紹介したが、悲しい顛末だったのでぜひみてほしい。
文部科学省の調査で、食物アレルギーがあるという結果の中で、医師の診断書などが提出されているのは20%余りで、明確な根拠がないまま対応している可能性も示された。一昨年の死亡事故が影響しているのか、少しでも疑いがあれば、親はアレルギーがあるとしていると思われる。
実際、「卵にアレルギーがある」と申告していながら「うずらの卵やアイスクリームは食べられる」など本当にアレルギー症状が出るのか疑わしいケースは少なくなかった。
アレルギー検査も微妙である。血液検査でアレルギーの疑いがあることまでは分かっても、微量ならまったく問題ない場合も多い。その食材を食べたからといって本当に症状が出るかは、その食材を食べないかぎり分からない。たぶん、専門の医者でなければ、検査結果から、食べない方がよいというかもしれない。しかし、少量ずつ食べることで、大人になるまでに克服できていける場合も多くある。アレルギー反応を起こす量(閾値)を知ることが大事。
子供の人生80年、まったくその食材が体に入ることがないことはあり得ない。親が子供のアレルギー反応を起こさない閾値を知るためには、少ない量から始めて食べ物に加えて食べさせ調べるしかない。ただ、食材によっては、少量でもアレルギー反応を強く起こすものもあるので、専門の医者に十分相談した方がよい。